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オルタネート

オルタネート

オルタネート

作家
加藤シゲアキ
出版社
新潮社
発売日
2020-11-19
ISBN
9784103537311
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「オルタネート」のおすすめレビュー

加藤シゲアキの最新長編小説が登場! マッチングアプリに夢中になる高校生たちは、そこでなにを見つけるのか

『オルタネート』(加藤シゲアキ/新潮社)

「青春」とは、自分の輪郭を描くためにもがく期間だと思う。輪郭を描く筆は過去に与えられた愛や失望、加える絵の具は出会いや環境の変化だ。そして白いキャンバスはありあまる時間。まだ若い青春時代には筆運びに自信がないし絵の具も少ないから、青春時代を生きる人たちが戸惑うのも必然だ。

 その戸惑いを埋めるために使うツールは、時代によって変わる。私の青春時代は、プリクラがそれだった。誰と写るかが交友関係をあらわし、顔の偏差値が女の価値を定める。プリクラ帳が豊かであることは、ステータスだった。

 今その役割を担っているのはSNSなのだろう。手元のスマホには興味のある情報、コミュニケーション、自分のすべてが集約されている。私が「青春」と聞いてプリクラを思い出すように、今を生きる彼らは、いつか画面越しのつながりや出会いを懐かしく思うのかもしれない。

 加藤シゲアキさんの『オルタネート』(新潮社)は、SNSを介した現代の青春をあざやかに浮かび上がらせる。タイトルは作品内で描かれる高校生限定のマッチングアプリの名だ。「交互に繰り返す」「…

2020/12/14

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勝地涼「“一緒にやりたい”と思う人には、自分から積極的に声をかける。そうして生まれたのがこの岩松作品です」

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、10月から始まる舞台『いのち知らず』で主演を務める勝地涼。親友である加藤シゲアキの最新著書『オルタネート』を読んで感じた作風の変化、友人から受ける大きな刺激、そして敬愛する岩松了作品への出演についてたっぷりとお話をうかがいました。 (取材・文=倉田モトキ 写真=干川 修)

「シゲ(加藤シゲアキ)がこの小説を書いている時もたまに会っていたんです。その後、完成した本を読んで驚きました。僕と同じ30代の時間を過ごしている中で、どうして彼はこんなにも瑞々しい青春小説を書けるんだろうって」

 勝地涼さんがおすすめ本として選んだのは、親友・加藤シゲアキの長編小説『オルタネート』。過去の作品もすべて読んでおり、その魅力について「すごく映像が浮かんでくるんです」と話す。

「登場人物たちを追いながら、“自分だとこう演じるかな”といったイメージが湧いてくる。表現者の視点でいろいろと考えさせてくれるんです。そこが大好きなんです」

 し…

2021/10/17

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「2021年本屋大賞」決定!! 大賞は町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』 全ノミネート作の順位を発表!

 全国の書店員が選ぶ、いま一番売りたい本を決める「本屋大賞2021」の受賞作が4月14日(水)決定した。

 18回目となる今回のノミネート作品10作の中から大賞に選ばれたのは、町田そのこ氏の『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社)!

2021年本屋大賞受賞作 『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社)

『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ/中央公論新社)

翻訳小説部門の大賞は『ザリガニの鳴くところ』(ディーリア・オーエンズ:著、友廣純:訳/早川書房)

気になる残り9つのノミネート作品は?

2位『お探し物は図書室まで』(青山美智子/ポプラ社)

3位『犬がいた季節』(伊吹有喜/双葉社)

4位『逆ソクラテス』(伊坂幸太郎/集英社)

5位『自転しながら公転する』(山本文緒/新潮社)

6位『八月の銀の雪』(伊与原新/新潮社)

7位『滅びの前のシャングリラ』(凪良ゆう/中央公論新社)

8位『オルタネート』(加藤シゲアキ/新潮社)

9位『推し、燃ゆ』(宇佐見りん/河出書房新社)

10位『この本を盗む者は』(深緑野分/KADOKAWA)

「本屋大賞」に選ばれた作品は…

2021/4/14

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オルタネート / 感想・レビュー

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starbro

以前から気になっていた加藤 シゲアキ、初読です。直木賞の候補作発表前、発売直後に図書館に予約したので、早めに読めました。第164回直木賞候補作1/6です。本書は、料理×高校生限定のSNS(オルタネート)×音楽の青春譚の佳作でした。アイドル作家にしては文章が巧みですが、直木賞受賞までの勢いを感じませんでした。出版社も新潮社なので、受賞はないと思います。 https://www.shinchosha.co.jp/alternate/

2020/12/21

bunmei

直木賞候補作品ということで、加藤君の作品を初読み。新時代に生きる高校生の恋愛や友情、夢に向けての世界観をリアルに写しとった青春群像劇。そのベースが高校生のみが利用できるマッチングアプリ『オルタネート』。そんなアプリを媒体とした構成は、令和ならではの視点とも言える。但し還暦迎えた自分にしたら、最初から「フロウ・オルタネート・コネクト」と横文字が飛びかい、人物名も突飛で、アプリ頼みの短絡的な恋愛観も、なかなか寄り添えなかったかな。それでも、最後は、それまでの伏線を上手に回収していた。

2020/12/28

うっちー

三者が一つに集約、特に後半はどうなるのかとサスペンス要素も。直木賞獲得なるか。他の作品を読んでいないのでわかりかねます

2020/12/22

ウッディ

料理コンテストでの優勝を目指す蓉、高校を中退し、かつてのバンド仲間ともう一度、演奏することを夢見て上京する尚志、オルタネートの遺伝子マッチングで最高の相手を見つけようとする凪津の3人の若者を描いた群像劇。「ワンポーション」で勝つための戦略や創造性あふれる料理の数々、マッチングアプリに頼り、気持ちを置き去りにした高校生など、舞台設定は面白く、各々の素材は良かったが、全部を詰め込んだために焦点がぼやけたような気がしました。。高校生にとって必須のオルタネートというアプリの魅力が伝わってこなかったのも残念でした。

2021/10/14

Makoto Yamamoto

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2021/03/08

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