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ラブレーの子供たち

ラブレーの子供たち

ラブレーの子供たち

作家
四方田犬彦
出版社
新潮社
発売日
2005-08-24
ISBN
9784103671053
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ラブレーの子供たち / 感想・レビュー

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さつき

文筆家や画家、歴史上の人物まで様々な人が愛した食事を再現して、そのエピソードを語る作品。人選がなかなか渋いです。名前も知らなかった人もいて、その著作を読んだことがあれば、もっと楽しめただろうなぁと思ったり。何より印象的なのはギュンター・グラスの鰻料理。私、鰻は好きですが今後は食べるたびに思い出しちゃいそうです。食べてみたいのは立原正秋の韓国風山菜とジョージア・オキーフの菜園料理。トマトのゼリー寄せは作ってみたいです。

2019/12/15

syaori

「多くの芸術家は食いしん坊」で、それは彼らの「世界に対する貪欲な好奇心に見合っていた」。というわけで芸術家の食を再現しその人となりに思いを馳せる本。ロラン・バルトの天ぷらに澁澤龍彦の反対日の丸パン、デュラスの豚料理と多彩な料理が並びます。繰り返されるのは「食べ物の味とは記憶」だということ。デュラスの二つの豚料理には植民地で育った彼女の本国と植民地への複雑な思いが読み取れるようだし、澁澤の反対日の丸パンからは快楽原則に従った彼のディレッタントな信念が窺えるよう。食を通して芸術家たちに親しめる素敵な本でした。

2020/05/11

三柴ゆよし

四方田犬彦が、東西の文学者たち(一部に例外あり)の食卓を実際に再現し、味わいながら、食に関する薀蓄を語るという俺得企画。まずはチョイスが秀逸で、ギュンター・グラスの鰻料理(『ブリキの太鼓』のあの名場面を想起せよ!)、マルグリット・デュラスの豚料理、ポール・ボウルズのモロッコ料理、谷崎潤一郎の柿の葉寿司から、果ては中世の魔女料理なんてのまである。それにしてもこの人の食に対するこだわりは並大抵のものではなく、澁澤龍彦の反対日の丸パンに至っては、わざわざ龍子夫人を訪ね、料理してもらってるのだからおそれいるよ。

2013/01/01

Christena

フランソワ・ラブレーの物語には、食べ物がよく登場した。また、多くの芸術家は、好奇心旺盛な食いしん坊、洋の東西を問わず、ラブレーの子どもたちだ。この前書きを読んで、この本のタイトルの意味が分かった。これは、芸術家たちが残したレシピや、物語の中に登場する料理を再現し、その人にまつわるエピソードを添えて紹介した本。写真も豊富で、実際に作れそうな料理も多い。ポール・ボウルズとマルグリット・デュラスの料理を食べてみたくなり、『金瓶梅』を読んでみたくなった。

2014/12/30

uni

著者による歴史に名を残す文化芸術知識人達の残した食のレシピを再現していく食エッセイ本。写真付きでとても面白い!個人的に気になったのは、ラフカディオ・ハーンのクレオール料理。亀おいしいの?ギュンターグラスの鰻がまるっと入ってる料理は、(´;ω;`)ウッ…。澁澤龍彦の反対日の丸パンのジャムののせっぷりも(´;ω;`)ウッ…。マリネッティの著作のレシピのニトログリセリン爆弾入の料理って何だかもう訳が分からないし、マリーアントワネットのお菓子が可愛くてたまらなかった。著者の食に対する貪欲な姿勢が素晴らしい。

2013/10/24

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