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帆神: 北前船を馳せた男・工楽松右衛門

帆神: 北前船を馳せた男・工楽松右衛門

帆神: 北前船を馳せた男・工楽松右衛門

作家
玉岡かおる
出版社
新潮社
発売日
2021-08-26
ISBN
9784103737179
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ジャンル

帆神: 北前船を馳せた男・工楽松右衛門 / 感想・レビュー

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ゆみねこ

漁師の息子ながら知恵も力も並外れた牛頭丸は、長じて一介の水夫から船頭にやがては北前船を操り商いで名を馳せる。和船の時代により早く船を動かす為に帆布をあみだし、自身の利益にせず惜しみなく人々に教え広める。エトロフや函館の築港、故郷高砂の河口の浚渫や防波堤作り、工楽松右衛門の生涯と彼を支えた3人の女性。とても面白く満足の1冊。

2022/05/21

がらくたどん

兵庫出身の同僚のお勧め。丈夫な身体に健全な心根と真直ぐな好奇心で近世の大型帆船時代を牽引した海の男の一代記。最近屈折率の高い物語を読むことが多かったので、心が洗われるような清々しい気分を味わった。せせこましい陸のシガラミから離れて生きる主人公なので身分も男女も柵を超え明るい夢に巻き込まれていく。陸に居て彼を愛した3人の女性が決して「待つ女」でなく陸と海とで共同して夢の実現に力を合わせる存在として描かれているのも楽しい。不勉強で航路と当時の帆船構造が理解不足が無念。地図と構造図のオマケがあったらな~。

2021/12/18

星落秋風五丈原

本編は高砂出身の発明家、工楽松右衛門の生涯について書かれている。おそらく加古川、高砂という地名を聞いてもぴんと来ない読者が多数いるはずだ。だから松右衛門の名前を知らない人の方が多い。彼が出会った相手の方が遥かに有名人だ。尚、松右衛門自体は司馬遼太郎の『菜の花の沖』に登場する。資料が残されていないので、人生の空白部分や性格を自由に描ける。玉岡氏は彼の人生の節目で出会う千鳥、小浪、津祢、八知という四人の女性を通じて、彼がどのようにして苦難を乗り越えていったかを描く。お歳暮の定番新巻鮭を考案したのも松右衛門。

2021/09/12

Kei.ma

傷はすっかり癒えている、胸の傷はどうだろう。と、子供扱いされたこともある松右衛門。それが、一介の水主から北前船を操る船頭に。さらに、幻の帆布を開発し、やがて許された名前は工楽松右衛門。それにしても、人の類い稀なる努力と天命に順う姿を描き続ける玉岡かおるさん。贅肉を削ぎ落とした大胆な筋書きが、先を急ぐ読者の気持ちと見事にマッチしていて鮮やかというしかない。主人公は知恵あり勇気あり、その上潔い。やはり、幼少期に王道を学んだ男の生き方は本物であった。「リーダー」に勧めたくなる本に出会えてとても嬉しい。

2022/03/27

フーミン

船乗りの子供が未来の船造り夢を見る。 努力と知恵とアイディアから生まれた帆船。 一生を船作りにかけた松右衛門の物語りです。 なんといっても玉岡さんのほとばしるような言葉の流れは読者を引き込ませ魅了します。 この作品を書いてくれてありがとうございます。共に生きたような気がしました。感動!

2022/05/26

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