空海
空海 / 感想・レビュー
KAZOO
高村さんによる空海の生涯についての論考のような感じで私はある意味小説的なものを期待したのですが…。カラフルな写真とともにわかりやすい文章で中国でのことまで書かれています。空海については非常に当時としてはスーパーマン的な働きをした人物で土木作業の監督なども行ったのでしょう。いくつかの著書を読んだことがありますがまだ高野山に入ってません。この高野山と最澄の永平寺にはいきたいと思っています。
2019/09/25
starbro
髙村薫は小説中心に結構読んでいる作家です。阪神大震災までは無神論者だった著者が二つの震災を経て、日本仏教界の巨人、弘法大師空海の足跡を辿った宗教ドキュメント。高野山の荘厳さ、宗教美術の素晴らしさ、空海の教えの高尚さは静かに篤く伝わってきます。但し、私は現状無神論者ですし、一生無神論者でありたいと思います。仏教は多様性のある宗教なので然程問題ありませんが、諸悪の根源は他者を容認しない一神教です。キリストも、マホメット等始祖は悪くなかったんだと思いますが、その思想・権力を悪用した人間が悪すぎます。
2015/11/21
それいゆ
高村薫さんの文章は苦手です。この作品は、私にとっては学術書のようでした。わずかに、四国遍路とオウム真理教の話は、興味深く読ませていただきました。文中に頻繁に登場する「とまれ、」にはいつも違和感を感じています。「いずれにせよ」「ともかく」という意味なんでしょうが、他の作家も、もちろん私も、こんな言葉は普段使いません。
2015/11/27
テクパパザンビア
空海も最澄も法然も親鸞も日蓮も皆んな一緒で一括りしてたけど両親が亡くなり近頃少し違いが分かってきた。仏教界のカリスマ弘法大師さん、私にも『谷響を惜しまず、明星来影す』出来ますか?念佛を拝まんでも…
2016/10/13
舟江
図書館の「宗教」の分類の棚に並んでいたので、少し嫌な予感がしたが、作家が書いた宗教の本で当たりは無い。ただ、金剛峯寺では、「悩みを抱えた衆生の安寧を祈り、少しでもこころが晴れるよう回向するのが僧侶の役目」という一文があり、救われた。この一文は魑魅魍魎に侵された街中の僧侶に送りたい。
2017/03/28
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