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博士の愛した数式

博士の愛した数式

博士の愛した数式

作家
小川洋子
出版社
新潮社
発売日
2003-08-28
ISBN
9784104013036
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博士の愛した数式 / 感想・レビュー

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文庫フリーク@灯れ松明の火

桜の花が舞い散る光景眺めるようで。素材が苦手な数学でも、読めば心は感じることができるのだなあ。初の小川洋子さんは桜色の温かさと舞い散る儚さ愛おしさ。花びらが時に風に煽られ一斉に舞うように、時に風も無いのに舞い落ちるように。音もなく、静かに静かに心の柔らかな場所へ降り積もるようで。数学に美しさ感じたことの無い私でも大切なもの、感じて、受け取れた気がします。涙腺の熱さすらいとおしく。新たな作家さんに巡り逢うきっかけは、毎回読み友さんレビュー。しみじみ感謝です。

2011/06/14

らる

読友の明里さんにオススメしていただき読みました。図書室本。 思っていた以上に読みやすく、入り込んですぐに読めました。優しくてどこか淋しくて、暖かい気持ちになれる小説。 一時間二十分しか記憶できない博士、家政婦とその息子は数字の美しさを通して心を繋ぎ絆を深める。記憶に残らないという悲しい事実を受け止めながら毎日を送る姿に時々涙が出そうになりました。 私は数学が好きではないし苦手だけれど、この本を読んで見方を変えてみようと思いえるようになれました。博士のようにあるものを心から愛せる人ってとても素敵ですね。

2014/06/10

パフちゃん@かのん変更

感動して泣けた。博士の真摯な人柄、子どもを大切に扱う暖かさ。80分で記憶がなくなることや日常生活には不器用なのに、数学を愛する崇高な気持ち、人を大切にする謙譲さ。素晴らしい人格者だ。交通事故に合わなければ偉大な数学者として活躍したことだろう。そして数学者としての能力は残されていたのが救いだ。ルートと博士の交流はお互いにとって素晴らしいものだった。ルートにとって博士は父親以上のものだったに違いない。中学校の数学の先生になったルート。博士も喜んでくれた。

2013/05/08

ジェンダー

1日80分しかも持たない記憶の中でどう覚えてもらうかの工夫映画は観てないけど読んでいて情景が浮かびあがってきます。

ケンイチミズバ

気持ちを温かくする作品です。家政婦の私、息子のルート、数学者の博士、3人で過ごした思い出を共有できたこと私も忘れない。傍目には家族にしか見えないし、思いやりに満ちたこの関係はもはや家族です。このかけがえのない思い出も博士にとっては刹那に消えゆくのですが。8時間でリセットされ二人は初対面の赤の他人に。備忘メモだらけの背広を着た天才の脳内宇宙は美しい数式に溢れ、それだけで満ち足りている。しかも数字には愛もあるらしい。小川洋子さんが得意とするちょっと変わった善人を温かく見つめる目線がとてもいい。食卓の温かさが。

2021/04/19

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