虚空へ
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虚空へ / 感想・レビュー
旅するランナー
言葉数を すっぱり 切り詰めた 十四行詩、言葉の殻を剥き 詩の種子を割り 余白を味わう、言葉の氾濫に 抗い 苦言し 飛び越える、ウン コワイクライ スバラシイ
2021/10/09
アキ
谷川俊太郎による短い言葉の十四行詩。生と死、言葉と自然、宇宙と天地。これらの詩には、言葉を削ることで研ぎ澄まされる感覚が現れる。 <もし死が>もし死があるのなら そこから始める 私はもういないが虚空には在る至る所に 目に見えず耳に聞こえぬものに満ちて <どの一生も>どの一生も言葉に尽くせない 一輪の花と同じく 唯一の星の地上に開き 誰の哀しみの理由にもならずに宙に帰る
2021/11/03
けんとまん1007
あとがきを読んで、なるほどなあ~と思った。短い言葉で構成された14行詩、全88編。全部で一つの詩のようでもある。淡々とした言葉から浮かんでくる色合いがある。どこか、少し枯れたような、淡い色合いを感じる。とは言え、穏やかな中にも、想いの深さがある。少ない言葉で綴る意味を考える。
2021/12/21
まこみや
詩は通読するものではなく、味わうもの。自分のペースでつきあって暗唱できるようになりたいものだ。〈文字で/読みたくない/声で/聞きたくない//言葉の/意味から/滲み出すものを/沈黙に探る//山の/無意味の/静けさ//死に向かう/人間の/無言〉 谷川さん曰く、「暗がりのなかで蛍火のように点滅する」短い行脚の十四行詩の連作だ。一篇一篇をゆっくりと味わうとき、日常の時間とは異なる時間を生きているように感じる。
2022/01/20
yutaro sata
ひとつひとつ、短く区切られた言葉から、コツン、コツン、と、陶器のような響きが聞こえてくる。 皆さんはどの響きに線を引いたろう。 呪文は 魂の深みに とぐろを巻く(p161) 驕りを 洗う 潮の満干(p195) 宇宙と地上の間にある、水にさらされた、言葉が静かな身体を立てている・・・。
2022/11/15
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