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子規の音

子規の音

子規の音

作家
森まゆみ
出版社
新潮社
発売日
2017-04-27
ISBN
9784104100040
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子規の音 / 感想・レビュー

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キムチ27

森さんの本は当たりはずれがない。根岸谷中を深く愛する筆者ならではの作品と言えるし、子規がいかにこの界隈を愛し生を全うしたかが解る。大きく評判を得ないのが不思議なくらいの秀作。筆者と同じく私ものぼさんでなく子規と呼びたい世界を彼の圧倒的数の短歌と共に種々のエピソードが面白い。いとも簡単の生が消えていったその時間・・一葉もほかの才人も。妾宅がずらりと並んでいた当時の風景、明治期は勝ち組の藩、冷飯を喰らわされた藩、それにも及ばず貧乏士族の・・子弟も出自で運命的に様々なスタートを切らされたというエピソードは泣く。

2017/10/09

pirokichi

谷根千の森まゆみさんによる正岡子規伝。「はじめに」の「評価とは別に、私は子規が好きでたまらない。俳句、短歌のみならず、随筆も書簡も好き。字もなんとなく好き。絵も好きである」を読み、私もよ~と、いきなりテンションが上がった。病に伏した子規は五感をフルに働かせ最期まで句や歌を作り続けたが、著者は子規が耳を澄ませた音に注目する。子規の妹・律に対する辛辣さは有名だが、一家の主たる子規が最も耳を澄ませたのは大切な母や妹が発する音、気配ではなかったか。律が碧梧桐夫婦と出かけて嬉しそうだったと喜ぶ子規が好きだ。

2022/08/08

☆すずか☆fighters!o(`^´*)

表紙に惹かれて読む。装幀は子規の友人中村不折作『朝顔と少女』慶応三年から、子規が亡くなるまでの日々の生活や新聞記者としてと仕事、旅のこと、子規の俳句などなどが書かれている。闘病中も子規さ明るく、自由奔放であったが、いつもまわりには友人が集まっていた。

2018/05/06

Gen Kato

読み応えある評伝。森まゆみ氏らしく、明治の東京を丹念に描き出してくれています。子規が過ごした場所、土地鑑のあるところが多くて何だか嬉しい。子規の随筆、句、歌(絵もすごい)、大好きなんだけどこの男、妹にはとことんひどいんだよなあ…

2019/03/17

好奇心

正岡子規、人柄・行動・生涯とも波乱万丈、36歳の人生倍の人生を濃く生きた、脊髄カリエス結核に負け全国を巡り、人脈の広さ、人を集める力、ベースボールを野球に和訳、史上の歌人の詩をけなし、どこからこれらを支えた資金を得たのか、終焉の日にも俳句をつくり食べ物に執着した、近代日本の生んだ知識人のひとりである、脊髄は壊れ片肺はなく、土葬された、生涯いくつの俳句を作ったか、痛かったのでしょう、母・娘さん看病本当にご苦労様でした、子規庵訪れてみたい

2017/06/07

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