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私の暮らしかた

私の暮らしかた

私の暮らしかた

作家
大貫妙子
出版社
新潮社
発売日
2013-10-31
ISBN
9784104123025
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私の暮らしかた / 感想・レビュー

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jam

記憶に残る祖母は臥せっている姿だ。病床から空を見て「鳥になりてえ」と呟いたことが忘れられない。北海道から信州に嫁ぎ、ついぞ故郷に帰れなかったと聞く。さようならの章では還暦近い著者が、母を亡くし初めて大人になったと書き、母の不在に唐突として涙が溢れるという、母を恋う幼子のような心細さを表す。全章を通し、自身の生活を全うする姿にのびやかな歌声が重なり清々しい。そして私はこうした随筆を読むたびに、故郷に焦がれ空を見上げるしかなかった祖母の人生を思い、人が皆、様々なことを抱え生きていることを愛おしく思うのだ。

2016/05/31

おくちゃん🌸柳緑花紅

あっという間に読み終えた。年齢が近いので、すんなり心に入ってくる。ただ、全く違うのは、自信と覚悟。まだまだたくさん足りない自分を知る!!買ったものの使わなかったあれこれ、でも無駄だったとは思わない、それらの全てがそのときの私なのだ。納得!!おかあさん、さようならの章では、母を亡くした時の事を思いだし、涙が…東京生まれの大貫さんが、葉山と札幌に家を持っているのにも、札幌民として、嬉しい。洗い物をしたあと、ハンドクリームをつけながら、しみじみ母の手に似てきたなぁと私も思う

2015/06/11

むぎじる

大貫さんの後姿が印刷された装丁に魅かれて読んだ本。音楽家ならではの耳の良さもさることながら、環境問題に取り組んでいらっしゃることも、新しい発見になった。東京を離れることを決め、葉山で暮らしたご両親との日々や、そこで知り合った人々や猫たちとの関係、そして音楽を通じてつちかった人間関係など、大貫さんのさまざまな日々の暮らしかたは、何とも読み応えがあった。過去の買い物に失望するでなく、「その時の気持ちがカタチになった」という前向きにな考えにも脱帽。気持ちが清々するような読後感。

2015/10/24

はこ

大貫妙子さん。透明感のある声、大好きなかたで、その暮らしぶりも静かで穏やかで、と想像しながら読みはじめました。けれど、ご自分の身の回りのことから、自然エネルギーのこと、原発、平和、一本筋の通った熱い気持ちが伝わって、本当に読みごたえのあるエッセイでした。お父様の戦争体験、ご両親のこと、エッセイを読んで涙するのも、久しぶりでした。

2016/06/26

Kei

音は人なり。寝て、食べて、働いて、遊び、歳を重ねていくという当たり前の一生。 でも、ひとには、それぞれの役目があり、歯車のようにかみ合いながらゆっくり回っていて、古いものは壊れ、新しいものに置き換わり、時代が作られていく。その中にある、喜び、楽しみ、怒り、悲しみ、特に理不尽なことに対する気持ちが、静謐で精緻な文章から、声高に主張するでないのに、しっかりと感じられます。

2014/03/09

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