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「ノースライト」のおすすめレビュー
待望の新築の家から、家族が忽然と消失…! あなたはこの美しい謎を解くことができるか?
『ノースライト』(横山秀夫/新潮社)
横山秀夫6年ぶりの新刊『ノースライト』(新潮社)が発売された。著者が本作で題材に選んだのは、建築士という職業。彼らの仕事は、クライアントの要望を予算の範囲で叶える“ビジネスマン”であると同時に、この世にひとつしかない作品を世に送りだす“芸術家”でもある。建築士…いや、“建築家”であれば、その生涯のうちに「これだ」と思える傑作を創りたいと考えるものだろう。本作は、主人公が直面する“ある謎”を起点に、建築士たちが抱える葛藤、そして家族のあり様を描き出す小説だ。
■仕事も家庭も一度は諦めてしまった主人公だが――
「すべてお任せします。青瀬さん、あなた自身が住みたい家を建ててください」
バブル期に挫折を味わったことがある一級建築士・青瀬稔は、新しい勤め先の事務所でも熱の籠らない仕事を続けていた。建築士としての矜持を失い、ただクライアントの指示通りに無難な設計の図面を引く…。そんな日々を送る中で、とある夫妻からの依頼が彼の心に火をつけた。「あなた自身が住みたい家を建ててください」――。青瀬は、再び建築デザインに熱中するよ…
2019/4/20
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「2020年本屋大賞」決定!! 大賞は凪良ゆう『流浪の月』 全ノミネート作の順位を発表!
全国の書店員が選ぶ、いま一番売りたい本を決める「本屋大賞2020」の受賞作が4月7日(火)決定した。
17回目となる今回のノミネート作品10作の中から大賞に選ばれたのは、凪良ゆう氏の『流浪の月』(東京創元社)!
2020年本屋大賞受賞作 『流浪の月』(凪良ゆう/東京創元社))
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翻訳小説部門の大賞は『アーモンド』(ソン・ウォンピョン:著、矢島暁子:訳/祥伝社)
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気になる残り9つのノミネート作品は?
2位『ライオンのおやつ』(小川糸/ポプラ社)
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3位『線は、僕を描く』(砥上裕將/講談社)
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4位『ノースライト』(横山秀夫/新潮社)
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2020/4/7
全文を読む気になる大賞はどの作品に!?「2020年 本屋大賞」ノミネート10作品発表!
2020年1月21日(火)、全国の書店員が選んだ一番売りたい本「2020年本屋大賞」のノミネート作品が発表された。大賞の発表は、4月7日(火)。
今年の「2020年本屋大賞」は全国の477書店、書店員586人の投票によりノミネート作品を選出。ノミネートされたのは以下の10作品だ。
■2020年本屋大賞ノミネート10作(作品名五十音順)
『線は、僕を描く』(砥上裕將/講談社)▶【レビュー全文はこちら】
『店長がバカすぎて』(早見和真/角川春樹事務所)▶【レビュー全文はこちら】
『夏物語』(川上未映子/文藝春秋)▶【レビュー全文はこちら】
『熱源』(川越宗一/文藝春秋)▶【レビュー全文はこちら】
『ノースライト』(横山秀夫/新潮社)▶【レビュー全文はこちら】
『むかしむかしあるところに、死体がありました。』(青柳碧人/双葉社)▶【レビュー全文はこちら】
『ムゲンのi』(知念実希人/双葉社)▶【レビュー全文はこちら】
『medium霊媒探偵城塚翡翠』(相沢沙呼/講談社)▶【レビュー全文はこちら】
『ライオンのおやつ』(小川糸/ポプラ社)▶【インタビューはこち…
2020/1/22
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ノースライト / 感想・レビュー
starbro
横山 秀夫は、新作中心に読んでいる作家です。久々の新作(実は10年以上前に執筆したお蔵入り)なので、期待して読みました。建築家族叙情ミステリ、期待した割には、元々お蔵入りだったせいか、凡作でした。建築(家)や設計に興味のない方には、辛い作品かも知れません。
2019/03/18
ウッディ
「あなたが住みたい家を建ててほしい」建築士の青瀬は、そんな依頼に応え、北からの光(ノースライト)を取り入れた渾身の家を建て、評価される。しかし、依頼主の吉野一家はその家に引っ越してこず、一脚の椅子が残されていた。ダム建設技術者であった父と現場を転々とした少年時代、バブル崩壊で辛酸をなめた仕事と離婚、そんな青瀬の過去が、吉野の失踪と繋がっていることがわかる。建築をめぐるミステリーで、不遇の画家の遺作を展示する美術館の設計に挑む、建築家たちの熱い想いも伝わってきて、お仕事小説としても読み応えがありました。
2020/02/04
抹茶モナカ
バブル崩壊後、家庭も壊れ、落ち目だった建築設計士青瀬に新築住宅の設計の依頼が持ち込まれ、その住宅が青瀬の代表作となった。その住宅の設計を依頼した吉野一家が蒸発してしまい、青瀬は一家を探すという筋。重厚で、読み物として、もの凄く面白かった。社会派小説の側面もある小説。謎解きがされ、美しい動機のように思った。一日の限られた時間にコツコツ読み、とても堪能できた作品。北側からの光が差すような淡い優しさの滲む作品だ。横山秀夫氏の6年振りの新作で、ついつい前作『64』も読み返したくなった。待ちに待った甲斐のある一作。
2019/03/24
うっちー
㊗️復帰 横山秀夫
2019/03/16
ホッケうるふ
矩計(かなばかり)図という図面がある。通常の断面図と違い施工時に不可欠な基礎から屋根に至るまでの細部の寸法取り合いや構造・材質・仕上の詳細が描かれ建物の内部がリアルに浮かび上がる図面だ。読者の前に主人公の過去が幾重にも線描された矩計図が開かれる。やがて元妻への慙愧や男同士の特異な緊張関係の友情、心血注いだ作品の依頼人失踪から浮かび上がる建築の巨匠の美意識、それらにより主人公の矩計図が上書きされ強固に変貌する過程を目の当たりにしてゆく。これは言動は硬質だが過去に拘る人物のハードボイルド未満な自己探索物語だ。
2020/12/12
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