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九月が永遠に続けば

九月が永遠に続けば

九月が永遠に続けば

作家
沼田まほかる
出版社
新潮社
発売日
2005-01-26
ISBN
9784104734016
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九月が永遠に続けば / 感想・レビュー

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文庫フリーク@灯れ松明の火

『猫鳴り』第一部にも感じたけれど、エピローグ340ページからの文章に純文学感じてしまう。やるせなさ・閉塞感・寂寥感・虚無感・・情景描写に乗せて、心模様がたたみ込むよう迫ってくる。このエピローグ描くために物語が有った気さえする。『誰もがなぜこんなに無力なのだろう』性描写や心のゆらぎ、精神の病など、重くあからさまな描写なのに、読むのを止められない魔力。結果、重い物語を時間超過の一気読み。読了第一声は、くたびれた(実感)凄いデビュー作でした。出会ってみたい・出会いたくない衣通姫(ソトオリヒメ)

2011/11/17

ひめありす@灯れ松明の火

九月が永遠に続けば良かったのに。あの夏の名残りのけだるい暑さを持った日々。夏ではない、季節の分かれ目のその季節。私は若い男と情を交わし、曖昧とした世界を愛した。痛みや小さな棘は、気だるさに幾重にも包まれた、真珠のような鈍い輝きのかなたにあった。やがて秋が来て、夏と同じ名前を持つ息子が消え、凍てつくこれからの季節と同じ名前を持つ、若い女が死んだ。あの曖昧とした日々は、もう思い出せぬ程に、今は寒く冷たい。食事を告げる、この能天気な声に救われるなんて、思いもしなかっただろう。あの、九月が。永遠に続けば。

2011/12/25

けい

沼田さんの作品は初読み。息子の失踪をきっかけに佐和子の周辺に潜む狂気が少しずつ姿を現してくる。息子の行方を捜しながら周辺の狂気に気付くとともに、自身もその中にとらわれていることに・・・。次々とめまぐるしく変わっていく怪しい人物と周りの状況が非常にスリリングで緊張感を持って読む事ができ、ねっとりとした感じと重さをあえて楽しむことができる作品でした。

2013/08/03

とんでもない闇を抱えているがとんでもなく人を惹きつける少女が意図せずして周りの人々を巻き込んで行くお話。いやミスなんだけど所々に心に響く文章があり私は嫌いじゃないです。

2017/05/03

そのぼん

ある日突然、息子が失踪した母親の目線で綴られていく物語ー。彼の行方を探していくうちにたどり着いた真相とは・・・といった感じでした。なんだか登場人物それぞれの抱えている歪みが強烈で、読んでいて疲れました。

2015/04/12

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