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世界中が雨だったら

世界中が雨だったら

世界中が雨だったら

作家
市川拓司
出版社
新潮社
発売日
2005-06-29
ISBN
9784104767014
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世界中が雨だったら / 感想・レビュー

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GaGa

この作者は初読。死(殺人)、生、そして性をテーマとした中編三編。「琥珀の中に」この作品は描き下ろしらしいが、不思議なのは読み返してみると書き出しがなんとなく結末と整合していない気がする。作者は別の形での終わり方も用意していたのでは?中盤まではいいが終盤急ぎ過ぎ。表題作は完成度は高いが、正直あまり心には響かない。「循環不安」はきっと作者の思惑とは違うところで楽しめた気がする。一つ言えることは主人公である人物が三人ともほぼ同じように描かれていること。ある意味私小説なのかな。一気読み可能。

2012/12/29

あつひめ

ふるいにかけられて残った粒が自分なのか?ふるいの網目をかいくぐってこぼれてしまったのが自分なのか?人とは感じ方が違う…だから世の中からはみ出してしまっていると心の中で劣等感のようなものを抱きながら迷路に迷い込んで自分で自分を抹殺してしまうような世界。心の中のもう一人の自分が語っているような淡々とした世界で起こる出来事はずっしりと重い。切ないとかではなく重苦しい感じがした。でも実際にこういう人はたくさんいる…ような気がする。

2011/07/08

椎奈

≪2013.0601図書館≫タイトルに惹かれて衝動借りした一冊で三つの短編が書かれている。どのお話も人間の弱さ、というものが出ていると感じた。誰しも弱い心は持っている。それをどう表すか、で人生が分かれたりするなのかなーと考えさせられた。あと誰かが抱えていたら、それを優しく包み込んで救えるような人間になりたい。「人は時と引き換えに宝石のようにきらめく思い出を得るんだと思う」私もこの言葉のように、生を受けたからにはきらめく大切な思い出を作っていきたい。

2013/06/22

ミステリーでもなく・・恋愛でもなく・・はたまたサスペンス!?でもなく・・。 テーマとなっているものが 人間の本質の底にある人間の愚かさというかなんと言うか・・狂気とか、性とか、人間の醜い部分です。そしてどの作品も、最後に完結せずに中途半端な感じで終わっています。

しーちゃん

純愛小説かと思ったら、むちゃくちゃシュールな3編。彼女の秘密を守るために必死で闘う17歳の少年。しかし待ち受けるのは悲しい事実。思春期特有の性に惑わされる哀れな男子。表題作「世界中が〜」は、こんな事考えてる中学生なんて、そっこらじゅうにいるんだろうな。ただ、彼には雨宿りする場所も、世界の外に逃げるという選択肢もなかった事が悲しい。「循環不安」お前もう、とっとと捕まれよ!まさにホラーでした。

2014/02/15

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