カミュの手帖 1935‐1959
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カミュの手帖 1935‐1959 / 感想・レビュー
白義
カミュの手帖三分冊を一冊にまとめ全訳したもの。ハードボイルドでストイックな熱気を帯びたアフォリズムが凛々しい。異邦人などから感じる第一印象だけの冷たさとは裏腹に、カミュは自らの魂のパトスに忠実に、世界に1人向き合った作家に感じる。全ての、左翼も含めた機械的抑圧から遠退き、世界の根源的不条理と格闘し、孤闘者の倫理と正義を突き詰め考え続けた結果として、その言葉はアウトサイダーたちが共鳴する、明かしえぬ共同体を切り開いた。不条理作家ではなく生命讃歌としてのカミュの姿が、このメモ集では鮮明に表れている
2012/10/19
寶達ベミュ
機動戦士ガンダムZZのグレミー・トトのセリフ「偉大さとは偉大であろうとする行為そのものだ」 の元ネタが本書にあるということを、フランコ・カッサーノの『南の思想』で知ったため、確認するために読了。件のセリフは378頁の「偉大さとは、偉大であろうと努力することである。それ以外ではありえない。(Mが偉いのはその点だ。)」だと確認できて満足した。ZZはアルジェリア関連の話がやたら出てくるし(トゥアレグ族とかカテブ・ヤシーンとか)、きっと富野監督は新潮社の手帖第二巻を読んでたのだろう。
2018/12/31
なおき
カミュの創作に関わることが書いてある彼の備忘録。哲学にそった小説を書いているカミュだが、やはり難産なものばかりだったのだろうと手帖から読み取れる。カミュの声が直接読める本。
2013/11/26
ULTRA LUCKY SEVEN
全ての小説より生々しくて、好きです。これを読むと、小説は物足りない。
2013/10/29
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