KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

私たちの幸せな時間

私たちの幸せな時間

私たちの幸せな時間

作家
孔枝泳
蓮池薫
出版社
新潮社
発売日
2007-05-01
ISBN
9784105055516
amazonで購入する

私たちの幸せな時間 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

CCC

死刑問題がテーマ。着地点がストレートなキリスト教的ヒューマニズムに落ちついたのは個人的には肩透かしだったが、雑な世間的死刑肯定論の冷たさや、偽善者、偽悪者、相対論者について書いた部分なんかは面白いと思えた。相対論者はとくに嫌いじゃないのだが。全体的に答えよりも問題を書いているところの方が感触が良かった。

2021/10/04

ほっそ

本の内容も素晴らしいものでしたが、あとがき(蓮池さんのも含んで)が、とても素晴らしいものでした。ラジオの何気ないニュースを聞き、取材を重ね、作品を作り上げていく過程がよくわかりましたし、翻訳の蓮池さんも彼女のそういう思いをきちんと受け止めていると思います。

2013/01/16

Viola

悲惨な出来事をきっかけに自暴自棄になった女性が、修道女の叔母に連れられ、ある死刑囚と出会う数ヶ月の物語。凶悪事件の裏には貧困と理不尽さ、女性の内には差別意識や傲慢さが潜んでいた。全く別世界で生きてきた二人が、死の前に全てを取り払って芽生える、心から切望した愛と気づかなかった思いやり、お互いの共通点。二人を結びつける修道女は自身を犠牲にしたキリストのようであり、キーとなる十字架が実は死刑執行の様であったことがこの作品を深く印象付ける。「ただ愛すればよかった」その境地に至るまで人は罪を犯すのかもしれない。

2020/08/09

カタコッタ

現代社会の大きな矛盾を感じざるを得ない。貧困、暴力、育児放棄、強姦、そして死刑制度。タイトルのイメージから想像もつかない重い内容の中、死刑囚のその日が来るまでの心の変化。今年度一番泣かされた小説です。翻訳は蓮池薫氏。名訳です。私もいつか死を迎えることになるだろう。できることならば、残すものは、風呂敷一つにまとめて身軽で潔く逝きたいと思う。

2013/11/23

aicocc0

漫画とは違った、重くて深くて・・・言葉にならない思いが胸に残る作品でした。漫画版は上手に内容を削ったんですね。獣のような人間だって、はじめからそうだった訳ではないし、人間は良くも悪くも変われる。ユンスが、たとえわずかでも「生きたい」と思って生きられて良かった。ただ愛すれば良かった、その後悔がとても辛かったです。

2010/06/05

感想・レビューをもっと見る