ひとりの体で 上
ひとりの体で 上 / 感想・レビュー
NAO
主人公は、バイセクシャルの小説家。半生を振り返る中で、主に思春期のことが語られていく。少しいびつな母親との関係、田舎町の狭苦しさを背景に、年上の図書館司書(女性)や寄宿学校のレスリング部員(男性)に惹かれ、性に目覚めていく主人公。その一方で、主人公が出会う作中であげられている文学作品がどれも魅力的で、メモを取りつつ読み進める。
2022/12/17
昼夜
これ以上の赤裸々な文章を読むことはもうないだろうな。主人公のビルみたいに思春期の頃にミス・フロストの様な司書に出会っていたらなと少しビルが羨ましく感じた。
2014/04/09
Ryuko
自らの性的指向に気付き始めた思春期のころ、そして、それを受け入れ自分に率直に生き、楽しみ始めた10代の終わりから20代のころが入り乱れてストーリーが進む。主人公の一人語りということもあり、自伝??と思ってしまう。思わせぶりな記述もまだまだ回収されていない。次巻へ。「大いなる遺産」「ジョヴァンニの部屋」読まなくちゃ。
2017/03/04
えい
「ねえあなた、わたしにレッテルを貼らないでちょうだい――わたしのことを知りもしないうちから分類しないで!」男子校に通うビリーは恋をする。ひとりは初老の女性。ひとりはアメフト部の男の子。ビリーは、自身の恋心を掴みきれずにいた。幼馴染の少女に好意が芽生えたり、完璧な女装をする男性に心を奪われたり。そうした感情は、けれど決して分類できるものではなかった。「ゲイ」でも「バイ」でも「ストレート」でもない。そんな言葉の枠を外れた、性的な好き。「性的」ってなんだ?「性」ってなんだ?「好き」ってなんだ?
2017/11/27
いくら
婚外子、ディケンズ、男子高寄宿舎、レスリング、堕胎等々。これまでのアーヴィング作品のキーワードが散りばめられ、また部分的には以前の作品の焼き直しと思われる箇所もあり。はじめは自伝的小説なのかと思った。但し、この作品はセクシャル・マイノリティがテーマです。なかなか話に入り込めない。挫折しそうである。
2013/11/05
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