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インヴィジブル

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作家
Paul Auster
ポール・オースター
柴田元幸
出版社
新潮社
発売日
2018-09-27
ISBN
9784105217204
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インヴィジブル / 感想・レビュー

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ケイ

オースター作品で1番読みやすかった。謎めいていて、セクシュアリティまみれ。でも、その奥にあること....。あなたの前にある真実はどれなの? 誰の言葉を通した真実なの? どんなレンズを通して観ているの? 個人は、国家の前では太刀打ちできないの? そんなに無力なの? ある作家の人生を描いているようで、ここにあるのは、9.11の前までに、西側社会が、アメリカが、そこの国の人たちが、見ていたものの不確かさ。割れたレンズの破片の上を、あの日、裸足で歩き回った時に、ようやく見えかけてきたもの。

2019/01/04

seacalf

ポール・オースターは現実世界に潜んだ異次元にたやすく連れていってくれる。このぞくぞくする読書体験を約束してくれる稀有な作家のひとりだ。アダムとボルンの毒気に当たりすぎになるきらいがあるが、稀代のストーリーテラーでもあるので非常に取っつきやすく、もちろん抜群に面白い。小難しい解釈なんぞしなくても万人を惹き付ける魔力的な文章は健在。『ムーン・パレス』が引き合いに出されているが『鍵がかかった部屋』のファンショーにまつわる話を喚起させた。『4231』の翻訳も待ち遠しいが『ムーン・パレス』もまた再読したくなる。

2018/11/18

どんぐり

ポール・オースターの邦訳最新作である。カバー写真はソール・ライター。ルドルフ・ボルンをめぐってアダム・ウォーカーが書いた「春」「夏」「秋」の三部からなる物語。物語内物語というには、外殻の部分はナレーションに近い。時代は1967年のニューヨークとパリ、そして時が過ぎた2007年。第1部の「春」は、作家志望の青年アダムがニューヨークでフランス人のボルンとマルゴの奇妙なカップルに出会い、文芸誌の発行と資金提供を受けるところからはじまる。その後の展開は、マルゴと関係をもったアダムが、ボルンの犯罪の告発に執念を燃や

2018/10/26

南雲吾朗

読了直後は茫然となり、どうレヴューを書けば伝わるか解らなかった。未だに、うまくまとめられない。兎に角深い読了感。最後の1ページの情景が読後数日たった今も頭の中から離れない、ハンマーの音まで聞こえてくる…。ムーン・パレスと同じ1967年を舞台にした小説。アダム・ウォーカーの死を目前にした最後の書簡。登場人物が複雑に絡み合い物語は進むが…。この本も、再読必須。読み重ねるごとに、もっと深いオースターの世界へ入って行けそうな気がする…。

2019/01/17

ずきん

ポール・オースターは好きな作家のひとり。ひんやりとした空気の中、曇った窓ガラス越し、霧で煙る通りの向こう側、そんなところにふと色づいている物語を見せてくれる。倫理や規範の枠などするりと抜け、すぐそばで、でも俯瞰の位置で物語を見つめる心地よさと、真実だと信じているものへの不安の同居。インヴィジブル(不可視)とタイトルされた本書は、凝らした技巧で見えないものを見せる。水槽の中をたゆたう光と影のような「夏」の章は読み終えたくなかったなあ。快感の読書。

2018/10/15

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