V. (上) (Thomas Pynchon Complete Collection)
V. (上) (Thomas Pynchon Complete Collection) / 感想・レビュー
ケイ
人物を整理した図とかがあれば…。何人もの登場人物と舞台の移動に戸惑うも、船乗りだったプロフェインと、Ⅴの謎を突き止めようとするステンシルが中心のようだ。舞台は1955年から56年あたり。プロフェインは若者的な無軌道ぶりで、見栄えはよくないようだが女性にもてる。ステンシルは推定55歳。スパイだか何だか穏やかならぬことにかかわっているらしい。それぞれの周りにいる人物たちが次第に交錯してきている。そして、二人ともがかかわっていたワニやNYの下水道が気になる。一方、Ⅴについては大してわからないままだ。
2015/10/10
zirou1984
トマス・ピンチョンの書物を読み解くのはゲームのやり込みに似ている。しかもFC時代特有の、自分でメモを取らなきゃダンジョンも踏破できないちょっと理不尽な感じ。章を経る度に湧いて出る登場人物を整理しながら進んだ先にあるものは、ダメ人間とハードボイルドと戦争と馬鹿エロと知性とパラノイアがどんちゃん騒ぎで一緒にフォークダンスを踊っているザ・闇鍋ワールドであった。阿呆だ。しかし、阿呆なまでに面白い。100人が読めば1万通りの解釈が生まれるであろう彼の作品群は、読むことの楽しさと自由がヤサイマシマシに溢れている。
2015/04/29
Vakira
ピンチョンに嵌まり、これで5作目。短編集「スロー・ラーナー」の中の一つの作品がこの物語に繋がった。俄然うれしい。ピンチョンの物語は謎追うミステリ、探偵物語が多い様な気がする。これも一人の主人公ステンシルがV.を追う。2つの物語に2つの時代が交差する。多数の登場人物に様々なストーリーがあり、タランティーノの映画を見ている様でそれだけでも面白い。それがまた繋がってくると、パズルを組み立ているようでさらに楽しい。ピンチョンの頭の中はどうなっているんだろう?さて下巻だ~
2016/07/03
扉のこちら側
2016年140冊め。【138-1/G1000】1955年のクリスマウ・イヴに始まる物語と、19世紀末に始まる物語の二つが交差する中で、一つの物語が見えてくる、というはずなのだけれど。「V.」の物語が浮かんでくる、はずなのだけれど。下巻へ。
2016/03/03
mii22.
【第17回G1000必読チャレンジ】〈V.〉とは何か?まだ朧気である。はじめはジグソーパズルのピースを手探りで集めていくような感じだった。時間も場所も登場人物も入り乱れて物語は進む。現実か空想かもよくわからない面白さにストーリーなんかそっちのけで愉しんでいたらパズルのピースがピタッピタッとはまりだした。〈V.の探求者〉下水道でワニ退治。スパイ?泥棒?冒険?..。訳がとても面白いのだが原文はどんな感じなんだろうか。そしてピースが全部はめ込まれた時どんなパズルの絵が表れるのだろう。ワクワクしながら下巻へ。
2016/10/09
感想・レビューをもっと見る