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V.〈下〉 (Thomas Pynchon Complete Collection)

V.〈下〉 (Thomas Pynchon Complete Collection)

V.〈下〉 (Thomas Pynchon Complete Collection)

作家
トマス・ピンチョン
Thomas Pynchon
小山 太一
佐藤良明
出版社
新潮社
発売日
2011-03-01
ISBN
9784105372088
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V.〈下〉 (Thomas Pynchon Complete Collection) / 感想・レビュー

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ケイ

前半のクレイジーでシュールな面白さから一転し、下巻の最初はこれでもかという残酷さ。しかしどこか異世界なような感覚に既視感を覚えこれはスローターハウス5で感じたものだと気付く。おもえばV.と比べると、あちらは随分と読みやすかったものだ。作者が書いた当時は25才。才気溢れ、狂気を隠し持った若者がその頭の中でははっきりとした意図をもって書いたものは、すぐに読み解けはしない。しかし、あきらめるのはもったいないから、読み終えたらすぐに皆、思うのだ。もう一度読もうと。

2015/10/12

扉のこちら側

2016年141冊め。【138-2/G1000】どこまで信用できるのかわからないステンシル(息子)が集めた情報を、ステンシル(息子)当人が編集したというエピソードで、Vに関する奇妙な話が止まらない。ヴィクトリアと? ヴェロニカと? ヴェラ? レディVと? バッド・プリ―ストと? マルタ島での「現在」の物語の終焉に驚愕。 VVVVV。

2016/03/03

Vakira

凄い。今までにない読書体験。ピンチョンの文学の可能性に対する挑戦。新たな文学パターンを開拓した感じだ。時間、場所、登場人物の異なる話が、平行して進行し最後に繋がる物語はあった。しかしこのV.は収束しない。登場人物毎の物語があり、どんどん膨らみ拡散していく。ハチャメチャ青春物語、性愛、サディズム、ロリコン、宗教、政治、スパイ、哲学、神話、歴史そしてSF。この拡散物語、強いて言うなら熱力学第二法則小説だ。面白いのは急に作者登場。読者に語りかけV.の謎解きを始め出す。これってメルヴィルの「白鯨」のオマージュ感。

2016/07/11

zirou1984

進化とは決して進歩的、前進的ではなく、evolutionの語源通り巻物を広げるように様々な形を取りながら、ゆっくりと具体的に表れていくものを指す。それは歴史に於いても同様で、合理的な法則を取るのではなく単にそれぞれの状況からその時々で選ばれたという偶然性を内包しているものなのだ。だからこそ歴史は一筋の線で語れないし、陰謀史観はパラノイアに結びつく。君たちは雑誌ムーにお帰り。ピンチョンは何にも囚われない。全てを楽しめ。keep cool, but care、どんな時もクールにやろう、でも心遣いは忘れずに。

2015/04/30

A_kiriko

上巻が終わって、この下巻を読み進めるうちに、果たしてこのまま読み続けることに意味があるのかと何度も疑問符を差しはさんだ瞬間があった。でもこの作品をポストモダン的な意味不明で無意味な作品とは思わない。でもヘルマン・ブロッホやドストエフスキーの作品に見られるような「新しさ」は感じなかった。ピンチョンは確かに芸術家だと思うけど、でもそんな彼の作品へのアプローチは、現代アートのそれと似ている。宇多田ヒカルが言うように「被害者意識じゃなく、共犯がいい」そう、ピンチョンと共犯関係になれるかどうかが、愉しめる鍵かもね。

2019/06/28

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