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トマス・ピンチョン 全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)

トマス・ピンチョン 全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)

トマス・ピンチョン 全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)

作家
トマス・ピンチョン
Thomas Pynchon
佐藤良明
出版社
新潮社
発売日
2014-09-30
ISBN
9784105372125
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トマス・ピンチョン 全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

ピンチョンは初読。したがって、先入観もまたイメージもないのだが、難解な小説というのが上巻での第一印象である。使われている言葉も、文体もむしろ平俗・平易といっていいし(翻訳なので断言はできないが)、扱われている小説世界が迷宮めいたものというわけでもない。プロットも一応はある。もっとも、スロースロップの女性遍歴が一応のそれであったとしてだが。ただし、夾雑物(?)が多く、イメージは単線的な像を結ばない。また、V2ロケットが男性器のメタファーであるかのようにも見えるが、だとすればそれはあまりにも陳腐だろう。

2023/08/09

ケイ

イギリス、アメリカ、ドイツ、アフリカ、そしてアルゼンチン。時代は第二次大戦末期からその直後の連合軍がドイツを占拠していた時代まで。登場人物の多さ、場面の飛び方…、天才ピンチョンの脳内で繰り広げられる思考は常にこうであるのかと思わされた。歴史、文学、物理化学、地理や民俗学なと多岐に渡るを膨大な知識を、スポンジが水を吸うように吸収し、彼独自の消化をさせ、道徳心と宗教観で判断し、それにセンチメンタリズムで味付けをしたかのように思える。前巻終盤でようやく重要人物が集合し始めた。時代はきな臭くなってきている。

2016/07/21

扉のこちら側

2016年693冊め。【194-1/G1000】そもそもピンチョンというだけで身構えてしまうのだが、「卑猥過ぎ」「通読不可能」とピューリッツァー賞が審査を拒否しただのなんなのという前情報を裏切らない中身だった。第二次世界大戦中、主人公の スロースロップ米軍中尉がセックスした地点には必ず後でV2ロケットが落下するということで、その謎を探る面々と自分の謎を追う本人が旅をするという話のようだが、まあ飛ぶわ飛ぶわ。このまま下巻へ。

2016/09/05

NAO

ロンドンが爆撃を受けた地点と、アメリカ人記者が女性をナンパしてものにした場所に付けた星印が、完全に一致。この奇妙な一致と、さらには、ロケット爆弾開発に関わるドイツ人科学者の話など、幾つもの話が絡み合った、不思議なピンチョンワールド。彼が作り出す世界についていくのは、なかなか大変だ。

2018/04/12

harass

第二次大戦末期、米陸軍情報部スロースロップ中尉は英国でナチのV2ロケットの調査をしていた。彼が性行為を行った場所に数日後にロケットが落ちてくるのだ。大戦は終わり、中尉は欧州の占領区を横断する。新型V2ロケットと自身の謎を探り、また彼を追う謎のオカルト組織…… 難解と言われる作品であるが、新訳と旧訳の解説あとがきを熟読して挑むとなんとか読めた。過剰過ぎる情報量と下ネタとギャグ、イメージ豊かな独特な文体とジャーゴンの連発に戸惑ったが次第に慣れていった…… 麻痺したのかもしれないが。とにかく怪物的な作品。

2016/05/29

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