KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

朗読者 (Shinchosha CREST BOOKS)

朗読者 (Shinchosha CREST BOOKS)

朗読者 (Shinchosha CREST BOOKS)

作家
ベルンハルト シュリンク
Bernhard Schlink
松永美穂
出版社
新潮社
発売日
2000-04-25
ISBN
9784105900182
amazonで購入する

朗読者 (Shinchosha CREST BOOKS) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ミカママ

第一部を読み始めて「15歳の少年が36歳の女性に溺れていく恋愛小説ね。モチーフは好みだけど、さすがに21歳差はないわなぁ」などと侮ったわたしが第二部以降、激しいボディーブローをくらう。歴史の重みと、それに流されるしかなかったひとりひとりの小ささ。何を書いてもネタバレになりそうだが、訳者のオススメに従い、読了後またすぐに二度目を読み始めた、と書けば、この作品の凄さがわかってもらえるだろうか。

2020/10/19

kaizen@名古屋de朝活読書会

G1000】15歳の主人公。年上の女性との付き合い。文盲だという想定で文学を朗読する。突然女性が行方不明に。ナチスの強制収容所に関する裁判の被告席にあの時の女性ハンナが。判決後、朗読のテープを差し入れ。結末はあまりにも悲しい。激動の時代の、遠くから見知ることがなかった状況を説明。学校の歴史の時間がいかに貧困かを知る。せめて、教科書の参考文献を体系的にしてほしい。

2015/06/13

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

誰かの罪に対して、被害者以外のいったいだれが公然と糾弾できるのだろう。罪を是とする世界に立ち向かう勇気のなかったことを、私は責めることができない。残りの一生をその十字架を背負い生きる覚悟も、遠い世界で起きている出来事でしかなくて。爽やかな陽射しを浴びる笑みこぼれるサイクリングの日や、本を朗読してもらい別の世界に意識を飛ばす幸せな時が、罪をおかした人にあってもいいと、大声で言いたい。でも被害者にそれを赦せなんて絶対に言えない。切なく重苦しい余韻。

2020/03/13

キムチ27

シュリンクの文学性は知らず、先に映画で見た。衝撃的な濃密エロス。と同時に、「国家レベルの戦争の傷跡と個人的レベルでの性の享受」をマッチングさせての文学的昇華❣はこう描かれるんだと感心、感慨を持った。いうなればシュリンクのイントロだけに、読んで10年以上たつが内容の概念的なものは忘れられない。視覚でケイト・ウィンスレットの豊満な身体を先に見ているので、そこから逃れられない★21歳も年上の、監獄の刑務官との時間が彼にもたらした足跡?👂跡の深い刻印とナチスの戦争犯罪との繋がりに慟哭は禁じ得ない

2020/07/06

(C17H26O4)

ハンナはひととき幸せだったのだろうと思う。過去を知らない1人の青年が、溺れるように自分を愛してくれたとき。たくさんの本を朗読してくれたとき。だから知られる前に姿を消した。文盲であることを。それまでの人生のことを。自分が裁かれている場で再会するとは思いもせず。ハンナはかつて強制収容所の看守だったのだ。時代に翻弄された被告人ハンナの言葉は重い。「あなたなら何をしましたか?」ミヒャエルが朗読テープを刑務所に長年送り続けたのは、彼女を理解できなかったことに対する贖罪だろうか。自分に対する呵責の念だろうか。→

2019/03/06

感想・レビューをもっと見る