白洲正子のきもの (とんぼの本)
白洲正子のきもの (とんぼの本) / 感想・レビュー
ヒロミ
元祖・ハンサムウーマン白洲正子。家事や家のことはからきしだったらしいが、その類稀なる審美眼でいくつものすぐれた随筆を残してきた。本書は彼女の遺したきものや随筆、親族や知人の証言をもとに編まれた図版も豊富なムック。しかし白洲正子の好みは実にさっぱりとしている。きものは紺、格子、お召、麻などのどこかそっけないとも言える簡素なデザインを対丈で衣紋を抜かずにサッと着る。華美な柔らかものは嫌い。実に端然としてるじゃありませんか。元祖・令嬢は欧米暮らしをしたこともあり男前な性格なんですね。次郎さんならずとも惚れます。
2017/10/19
犬養三千代
時代を越えた数々の着物。正子が己を知り己の個性を信じて集めた逸品揃いです。 着物にも流行があります。正子の時代は羽織が短くなったとき。今は段々長くなっている。 それでも、短い羽織を着る勇気があるか?人目を気にせず着たい?もうわからなくなりました。 着物は無地、縞、格子に極まり候。 正子の言葉を胸に。 さあ、出掛けよう。草履を履いて。
2018/03/29
波 環
正子は1910年生まれ。幸田文は1904年生まれ。同世代と言っても間違いはないと思うが、きものに対する意識の違いが面白い。どちらも縞や格子、紬などの織物を普段着で好んでいたことで知られるけれど、価値観は違う。正子にはノブリシュオブリージュ的な意識が感じられ「美や価値を守る自分」としての着物好き。文は、主婦、生活者としてそうせざるを得ないところからの到達としての着物。対丈を好んだという正子のその全身写真が見てみたかった。
2014/11/15
ゆき
白洲正子のきもの、の薄い方の本です。私はどちらかと言うと、着物は自然に着こなしてその様式美を継承してゆきたいので、ふだんガサツな人がお茶だのお花だのめかしこむ手段としての着物は好きではないです。紬や絣だけでは、着物を着て相手をもてなすということはできないかもしれませんが、もともと昔の人はこれを普段から着ていたので、その自然の有り様をたのしめるように組み合わせたり工夫できるように見習いたいです。
2014/01/15
rumi
“わざとするのはおしゃれには禁物で、おしゃれの道徳は平凡なこと、なるべく目立たないこと、ようするに『鈍刀を使う』ことにつきましょう。…おしゃれとは虚栄心以外の何物でもない。だから見せるために着ていいのですが見せびらかすために着る必要はない。それでは楽しんでるとは言えますまい。要は、背伸びをしないことで自分に似合ったものを見出すことです。” けっして華美でなく質実剛健にすら映る彼女の着物たち。はぁセンスに脱帽。うっとり見飽きない。歳を重ね彼女のような境地に至りたい。
2012/10/10
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- 出版社
- 左右社
- 発売日
- 2019-11-01
- ISBN
- 9784865282511