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ケーキの切れない非行少年たち 1 (BUNCH COMICS)

ケーキの切れない非行少年たち 1 (BUNCH COMICS)

ケーキの切れない非行少年たち 1 (BUNCH COMICS)

作家
鈴木マサカズ
宮口 幸治
出版社
新潮社
発売日
2020-12-09
ISBN
9784107723420
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「ケーキの切れない非行少年たち 1 (BUNCH COMICS)」のおすすめレビュー

非行少年たちが残酷な犯罪を起こさないために、私たちができることは?

『ケーキの切れない非行少年たち』2巻(宮口幸治:原作、鈴木マサカズ:漫画/新潮社)

 犯罪が起きたとき、被害者は取り返しのつかない傷を負い、時には命を落とす。刑期を終えて出所すれば人生をやり直せる加害者とは異なり、被害者はそれによって人生が狂ってしまう。

 だが第三者は、「加害者を責めて終わり」でいいのだろうか。彼らがなぜ罪を犯すに至ったのかを知らなければ、同じような犯罪が何度も起こり、傷つく被害者、悲しむ被害者の家族・遺族は増えるばかりだ。

 漫画『ケーキの切れない非行少年たち』(宮口幸治:原作、鈴木マサカズ:漫画/新潮社)の原作は、発行部数67万部を突破した同名のベストセラー新書である。本作では、「境界知能」を持った子どもたちが時に非行少女・非行少年になる理由が、わかりやすく説明されている。境界知能とは知能指数70から84の範囲を指し、全体の14%を占める。

 2巻では二人の未成年の受刑者が登場する。前半は、1巻終盤から登場したパニックを起こして教師を失明させた、妊娠8か月の少女・門倉恭子(かどくら・きょうこ)だ。

“何か困ったことが起きたとき しっか…

2021/6/4

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少年たちはなぜ非行に走るのか。話題のベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』が漫画化

『ケーキの切れない非行少年たち』(宮口幸治:原作、鈴木マサカズ:漫画/新潮社)

 2019年7月、児童精神科医によって書かれた新書が話題になった。タイトルは『ケーキの切れない非行少年たち』(宮口幸治/新潮社)。「ケーキの切れない」はケーキを等分に切ることができない認知力の弱さを指す。大反響を呼んだこの書籍は累計60万部を突破した。

 2020年12月、満を持して『ケーキの切れない非行少年たち』のコミカライズ版が刊行された。ノンフィクション『「子供を殺してください」という親たち』のコミカライズ版を描いた漫画家・鈴木マサカズさんの手によって、深刻な社会問題が漫画で表現されている。

 主人公の精神科医・六麦克彦(ろくむぎ・かつひこ)は少年院で受刑者を診察している。彼が診察するのは「知的障害またはその疑いのある者及びこれに準じた者で処遇上の配慮を要する非行少年」だ。

 1巻のほとんどを占めるのは軽度知的障害のある少年・田町雪人(たまち・ゆきと)のエピソードである。万引きを重ね中学校卒業までを児童自立支援施設で生活し、その後、建設現場で働くようになるも無免許運転、…

2021/2/9

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このまとめ記事の目次 ・ケーキの切れない非行少年たち ・その着せ替え人形は恋をする ・瓜を破る ・「子供を殺してください」という親たち ・死役所 ・俺たちつき合ってないから ・転がる姉弟 ・オタクに優しいギャルはいない!? ・うちのちいさな女中さん ・海月姫

「境界知能」に真っ向から向き合った社会派漫画

『ケーキの切れない非行少年たち』(鈴木マサカズ:漫画、宮口幸治:原作/新潮社)

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2023/4/30

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ケーキの切れない非行少年たち 1 (BUNCH COMICS) / 感想・レビュー

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読特

境界知能は全体の約14%。35人クラスに5人程度。世の中一般より相対的に低いことが生きづらさを生み、彼らよりIQが上の大多数が守れるはずのルールを破る。彼らは咎められる。…もしも人類よりもずっと賢い生き物の社会が存在して、そこに1人紛れ込んでしまったなら、その社会では当たり前に遵守できてる法を犯してしまうかもしれない。そのときは責められるよりも理解されたい。…緊縮財政が過ちであることに気づかない罪づくりの人は、IQが相対的にかなり高い層にも多数存在する。彼らはきっと生きづらさなど感じていないだろう。

2024/03/13

夜桜キハ

レンタ期間限定一巻無料より。小説の方を先に知っていたのですが、今回はたまたま無料でしたので漫画を先に。非行少年たちの理由が知れる作品です。IQが関わってくるんですかやはり……。でも誰も理解してくれないからそりゃあいつか爆発しますよね……。中には環境が悪いのが要因の一つもありますし、頭ごなしに非行した者を否定するのは間違いかな、と思わされました。また、極度にIQが低いわけでなく、ぎりぎりラインなのだけどそこが危ない状態(これは私の言葉で説明してます)がクラスの中に5人に1人の確率。時々いますよね……。→

2023/09/20

りらこ

しんどいな。IQと犯行に因果関係があるということ。クラスが35人クラスだったら5名が知的に障害があるという割合。ケーキが3等分できないというけれど、今までその視点を誰も示してくれなかった。仕事をしても指示が覚えられない、理解できない。そしたら辛いよね。その上感情をきちんとコントロール出来ないならば激昂してしまう、そして危害を加えてしまう。理屈としてはわかりやすい。それでも生きていける社会を作らなければならないんだろうな。

2021/09/05

空猫

ピッコマで5巻まで読了。実際の少年院に入所した子どもたち各々のの症例が漫画になっていて、とても分かりやすかった。知能、発達、運動能力、、等の障害はグレーに近いほど周囲から分かりにくい、親は障害を認めない、加えて「やれば出来る」幻想が、より彼らを追い詰めている。多様性と言うならこの方面にも力を入れてほしいし、小中学校の教師は必読本にしてほしいね。

2023/05/06

BUBI

原作既読。コミック版はどうかな?と1巻だけ読んでみました。1巻は導入部なので、まだ面白いとは言えませんが、十分に興味を引く内容なので、関心をもってくれる人が増えるといいなと思います。軽度の知的障害者がなぜ犯罪を犯してしまうのか? それを防ぐ方法はあるのか? そういうミステリーとしても読めるし、原作の新書ではちゃんとそれに対する回答も書かれているので、コミックで読んでいる人達が最後まで読み切って、周囲にいる支援の必要な人達の存在に気付いてくれるといいな。

2022/11/03

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