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マレ・サカチのたったひとつの贈物

マレ・サカチのたったひとつの贈物

マレ・サカチのたったひとつの贈物

作家
王城夕紀
Mieze
出版社
中央公論新社
発売日
2015-02-24
ISBN
9784120047015
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マレ・サカチのたったひとつの贈物 / 感想・レビュー

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みっちゃん

「量子病」どんな設定の病気なのだろうか。そこに興味を惹かれて読み始めたがSFというよりは一篇のサーガを聞かされているような心地がした。一瞬後の居場所すら予想できず、突然身体を解かされ世界中を飛躍し続ける、その意味と静かに破滅へと向かう人類に彼女が残し、伝えるものとは。「この世界を作っているのは、存続したいという自分の欲望ではなく、存続して欲しいという他者の願い」そうなら嬉しい。出会え。別れたって、また、出会え。

2016/07/10

のっぱらー

「銀河鉄道の夜」のオマージュで始まる、「君の膵臓をたべたい」の住野よるさんおすすめの作品。本人の意思にかかわらず突然おもわぬ場所に転移させられる「量子病」の坂知稀が、各地を旅する中で出会う世界の本質を綴った物語。ネット世界への移住を、「人と出会いたいから」という理由で拒否した彼女。確かにこれは「キミスイ」のテーマと重なるものがありました。なんとなく掴みどころがないながらも、じんわり心に残る作品でした。

2016/02/04

takaC

なんだろう。なかなか手強いお話でした。頭が痺れました。

2018/04/30

里愛乍

おっといきなりの量子力学ときましたか。しかしてそこのところは自分的には問題ではない。彼女は跳ぶ。人と突然に出会い、いつ来るとも知れぬ別れまでの間、共に過ごし、語り、知る。軽快なテンポの文と会話、内容的には社会だの陰謀だのテロだの不穏な流れ。捕まれる言葉と綺麗な文章の流れで進む本書は、まるでロードムービーのように美しく、気になる箇所ごとに着けていた付箋はいつしか毎頁になり、まるで付箋の意味をなさなくなった。それくらい全ページお洒落な言葉でまとまっている素敵な小説。靴職人の老夫婦が一番好き。

2018/12/20

そら

なかなかページがすすまない……と思っていたけれど、終わってみればこれは味わう噛みしめるような本なんだな、って今では思う。主人公は量子病という本人の意思に関わらず世界中を飛び回ってしまう病気に罹患している。彼女の因果な運命から始まった多くの旅のシーンが本当に色々ありすぎて全然前に進まなくてもどかしくなるんだけど、そこから導き出された、たったひとつの結論が最後に示された時に、すごい震える。震えた。すごいな、王城さんすごい。

2016/12/10

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