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女王さまの夜食カフェ - マカン・マラン ふたたび

女王さまの夜食カフェ - マカン・マラン ふたたび

女王さまの夜食カフェ - マカン・マラン ふたたび

作家
古内一絵
出版社
中央公論新社
発売日
2016-11-16
ISBN
9784120049101
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「女王さまの夜食カフェ - マカン・マラン ふたたび」のおすすめレビュー

“ひとりぼっちの寂しさ”をドラァグクイーンの店主がつくる滋味あふれる夜食が癒す――『女王さまの夜食カフェ マカン・マランふたたび』

『女王さまの夜食カフェ マカン・マランふたたび』(古内一絵/中央公論新社)

誰かと一緒にいたくて、でも、しがらみのある友人や知人とは喋りたくない。そんな矛盾した人恋しい夜が、誰にでもあるものよ

 と、深夜営業の夜食カフェ「マカン・マラン」の店主・シャールは、土砂降りの雨に誘われてきた客の裕紀に言う。累計10万部突破のシリーズ2作目『女王さまの夜食カフェ マカン・マランふたたび』(古内一絵/中央公論新社)の一場面だ。

 実家の旅館を継ぐ出来のいい兄の下で、期待されない次男として育った裕紀。マンガ家としてもぱっとせず、行き詰まりを感じているところに兄が急逝し、地元に戻らなければならなくなった彼は、かたく閉ざしてきた心をシャールにほどかれ、見ないふりをしてきた感情をつきつけられる。誰にも必要とされない心細さ。自由という名の孤独。優秀な兄の身代わりとしてしか必要とされないやるせなさ……。そんな裕紀に、シャールはソイ・ミートでつくった竜田揚げを提供する。鶏肉と遜色ない旨みと栄養をもつその料理を通じて、裕紀は兄の劣化コピーなんかじゃないと伝えるシャールの言葉が、…

2020/5/29

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「読み終わったら『ありがとう』という気持ちでいっぱいになった」 口コミで人気が広がり続ける小説『マカン・マラン』4部作

『マカン・マラン - 二十三時の夜食カフェ』(古内一絵/中央公論新社)

 ある町の路地裏で、夜の間だけ開いている夜食カフェ「マカン・マラン」。そこにはさまざまな悩みを抱えた人々が、導かれたかのように集まってくるという──。一風変わった“心の交流”を描いた『マカン・マラン』シリーズが、ネット上で大きな注目を集めているようだ。

 同シリーズは、2011年にデビューした作家・古内一絵による小説作品。2015年11月に1巻が発表されると口コミで人気が広がり、4部作へと変更されることに。すでに物語は完結しているものの、現在でも書店を中心としてヒットを続け、発行部数はシリーズ累計10万部を突破している。

 作中で描かれるのは、「マカン・マラン」に訪れる客と謎めいた店長・シャールとのやり取り。シャールは180センチ を超える長身でありながら、ド派手なメイクや衣装を好む“ドラァグクイーン”。人が求めているものを見抜く能力に長けており、悩める客がやってくるたびに心のこもった夜食を振る舞っていく。

 客として登場するのは、“ぼっち”に怯える女子高生や子どもの発育に悩む専業主…

2020/6/6

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女王さまの夜食カフェ - マカン・マラン ふたたび / 感想・レビュー

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fukumasagami

「どうしてこんなに優しくしてくれるんですか」 それは単純な疑問だった。最初は抗議の一団に紛れてやってきたことは、この人だって、あの真っ赤なウィッグをかぶった若い男から聞かされているだろう。 初めて会ったときも、警戒心むき出しで、圭を連れ戻したのだ。 それなのに、どうしてそんな自分に優しくしてくれるのだろう。 「そうねぇ……」 シャールは少し考え込んでから、あっさりと告げた。 「寂しいからかもしれないわね」 その言葉に、未央は胸を衝かれる。 「生きていくのって、寂しいのよ」

2017/08/12

けんとまん1007

やっぱり、このテイストはいいなあ~。ある意味、定番でもあるが、それで安心できるのもある。人は、自分の中で答えを持っていながら、なかなか、それを受け入れようとできない時がある。そのきっかけを作るのが、このカフェなんだ。さりげなくて、それでいながら深い心配りがされている夜食カフェ。人は、食べること、話すこと、感じることで生きている。だからこそ、こんなカフェが必要な人たいもいるのだ。

2017/08/06

しんごろ

シリーズ第2弾!シャールさんの悩む人達にかけるひと言は、ボンヤリとしてるようで的確なひと言。そして、温かく優しくていいね。シャールさん、退院してから的確なひと言がパワーアップした感じ。マカン・マランに来る人には、愛を感じる魔法のひと言だね。自分が思い悩んだら、一度店に来れば、もうそこから常連、そんなマカン・マランに行ってみたいとまた思ってしまった。本を読みながら夜食をゆっくり味わいたいね。

2020/08/21

病から無事帰還したシャールの下に様々な人々がやって来て、心癒されて行く。でも実はシャール自身が心の安寧を受けていたのではなかろうか。最後までわかりあえずに、末期を看取り送って父に対して、親不孝だったとつぶやくシャールにかつての同級生柳田が、「お前は病気から帰ってきたのだから親孝行したんだ。親より先に死ぬこと程の親不孝はない」というくだりには、涙が滲んだ。みんな精一杯生きているから苦しかったり辛かったりして、マカン・マランで肩の力を抜いて行く。良い店だ。

2018/01/20

tetsubun1000mg

筆者の最新刊「最高のアフタヌーンティーの作り方」が面白かったので、巻末の著書紹介から面白そうと1巻目を読んですぐ気に入った。 キャラクター設定と悩める人のテーマが今読んでも引き付けられる。 現代人の悩みは変わらないのかな? 文章を読みながら場面や会話シーン、表情などが目の前で見ているように浮かんでくるのは相変わらずのうまさ。 連作のTVドラマを見ているように感じる。映画の仕事で培った技術なのだろうか、筆者には撮影用カメラの四角いフレームが見えているようだ。 残りあと2巻ゆっくりと楽しみながら読むとしよう。

2021/09/02

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