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R帝国

R帝国

R帝国

作家
中村文則
出版社
中央公論新社
発売日
2017-08-18
ISBN
9784120050008
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「R帝国」のおすすめレビュー

「朝、目が覚めると戦争が始まっていた」――『教団X』の衝撃再び! 戦争に突き進む近未来の世界を描き出した、中村文則最新作『R帝国』

『R帝国』(中央公論新社)

 戦争の足音が聞こえる気がする。すべて杞憂ならばいいが、世界の不穏な情勢に不安な日々を過ごす人は少なくはない。こんな世の中であるからこそ、ディストピア小説にブームが来ているらしい。アメリカでは、トランプ政権発足以来、ディストピア小説の名著ジョージ・オーウェルの『1984』が爆発的人気だというが、日本では、中村文則氏のディストピア小説が一大ブームになるに違いない。

 中村文則氏著『R帝国』(中央公論新社)は、全体主義が蔓延る架空の島国を描き出した近未来SF。多くの著名人に衝撃を与えた中村氏の著書『教団X』のエッセンスが感じとれるこの小説は、現代社会への警鐘だ。最初に引用された、ヒトラーの「人々は、小さな嘘より大きな嘘に騙されやすい」という言葉。そして、「朝、目が覚めると戦争が始まっていた。」という一行から始まる物語は、どうしてもフィクションとは思えない。これは日本の未来の姿なのではないか。戦争。テロ。差別。フェイク・ニュース。言い知れぬ恐怖と、自然と芽生える今の時代への問題意識。中村氏の描き出す暗黒の未来に読者たちは溺れて…

2017/9/23

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R帝国 / 感想・レビュー

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starbro

中村文則は、全作品読んでいる作家です。新作の割にあまり注目されていないのは、「教団X」で挫折した人が多いからでしょうか?パラレルワールドにおける近未来小説、書き出しの「朝、目が覚めると戦争が始まっていた」から期待をして読んだのですが、先輩の芥川賞作家、村上龍になったかのようです。R帝国のRはやっぱり「right-wing(右翼)」の頭文字でしょうか? HP(ヒューマン・フォン)は、やはりHPだけにHP(ヒューレット・パッカード)製なのかなぁ(笑)著者お気に入りの『骨付き女肉パラダイス』に行ってみたいなぁ!

2017/09/06

absinthe

残念で残念で。『教団X』を絶賛した直後だっただけに落差まで大きかった。何かのプロパガンダでも読まされているような読後感。読む作家を誤ったかと確認までした。作家の政治スタンスが全部地の文で記述され、小説にした意味までわからない。人物に感情移入できず事件も他人事にしか見えない。外交上言わねばならなぬ発信もヘイトスピーチも同列扱いに批判するし、ネトウヨの歪んだ愛国心の描写もテンプレ通りで新しい切り口に見えない。ラストの書き込みはそれなりに迫るものがあったが、それも長台詞で一方的だ。読みどころもあるだけに残念。

2019/07/09

ウッディ

誰もがHP(ヒューマンフォン)を持つようになった近未来、R帝国は人の感情を巧妙に操作する全体主義の中で真実が葬り去られていた。AIが進化し、HPが友達や家族のような存在になるなど、あり得そうな未来を描く中村さんの想像力には感心するものの、彼の描く世界の不気味さと話があちこちに飛んでしまう物語の構成が自分に合わず、何度も断念しようと思った。機械に頼りすぎる現代社会への警鐘、独裁政権への風刺も、あまり心に響かず、イマイチでした。

2018/06/23

ケンイチミズバ

久しぶりに中村文則による頭痛が後を引いている。私達の今への警鐘。不都合な意見が歪められ多数意見にすりかわるプロセスをこれでもかと次々に叩きつけられた。知らないうちに私達は洗脳されていやしまいか。ネットのトップニュースを鵜呑みにし、考えることを放棄していやしまいか。強者に賛同しなくてはならないよう仕向けられる息苦しさを感じてる人も現実にいるだろう。政治は国は間違わないのか、国は本当に国民を守るか、民主主義は大丈夫なのか?もう取り返しのつかないところまで来ているような錯覚に陥ってしまった。今回、エロなし。

2017/09/05

Emperor

新月のようだ。これほどにも希望が見えないディストピアというのもなかなか無い。群衆も、ここまで完璧にコントロールされているならばかえって心地よいのではないだろうか。「“抵抗”とは、昔流行ったケーキの名前です」。この一行を読んだとき、ぼくの中で、『R』は『X』を超えた。

2017/12/24

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