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つみびと (単行本)

つみびと (単行本)

つみびと (単行本)

作家
山田詠美
出版社
中央公論新社
発売日
2019-05-21
ISBN
9784120051920
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つみびと (単行本) / 感想・レビュー

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starbro

山田詠美は、新作中心に読んでいる作家です。実際の事件にインスピレーションを受けて書いた作品なので、ノンフィクションのような雰囲気です。旬のネタ(DV、ネグレクト、幼児虐待等)が満載で読んでて辛くなります。つみびとが多数登場しますが、皆、些細な事で罪を犯す弱い存在でした。特別に極悪な鬼母ではなく、不幸の連鎖で誰もが陥る可能性があるのが、大変怖さを感じます。幼き命を救うセーフティ・ネットが必要です。

2019/06/15

いつでも母さん

〈小さき者たち〉が痛ましい。この兄妹には何の罪もない。では、つみびとは誰?虐待を受けていた人間は全て連鎖するのかーそうでは無い。が、人が壊れるのはこうして壊れるんだ。超えられない一線は簡単に超えられるのだ。と私に突きつける。何か一つ違っていたら・・それは後になって思うこと。それは虐げられたことのない者が言いそうな言葉か。「幸せになりたかっただけ。そのやり方を間違えた」間違いはやり直せるけれど、幼子は還らない。蓮音の過ごす30年は祈りと贖罪の時間だろう。苦しい読書になった。

2019/06/17

utinopoti27

いまだ止まない児童虐待。中でも、図抜けて社会に衝撃をもたらしたのが9年前の大阪二児放置死事件だ。罪なき命の灯はなぜ消されなければならなかったのか。本作は、この悲劇をモチーフに、加害者・蓮音と、その母・琴音の生い立ちに迫りつつ、彼女らの心理のヒダに深く分け入ってゆく。幼き日のトラウマから抜け出せず、家族を放棄した琴音。幸せになりたかっただけなのに、その形をイメージできず、刹那の快楽と引換えに、母を信じ続けた幼い命を見殺しにした蓮音。正論を振りかざし、逃げ場を奪った者たち。濃淡の差はあれ、みな「つみびと」だ。

2019/12/13

みどり虫

今も忘れられない大阪二児置き去り死事件をベースにしたフィクション。辛い読書になることはわかりきっていたけれど、デビュー作から追い続けている詠美さんだから読んだ。そしてこういう話を書いても深く心に染みる詠美さんの言葉や文章に揺さぶられ打ちのめされ、苦しくて悲しくてやりきれない。私が彼女達でも、この子達でもなく今ここにいるのは、そしてこの本を読んで泣ける立場にいるのは、いったい何によって決まったんだろう。血とか不幸の連鎖とかって何なんだろう。罪はどこから始まっていたのだろう。つみびとは誰なんだろう。辛いよ…。

2019/06/10

モルク

大阪の幼い2児を置き去り死させた事件がモチーフとなっている。母親そしてそのまた母の生い立ち、結婚、回りを取り巻く人々が描かれている。確かに責任を全て母親蓮音に押し付けるのは…彼女にもそれなりの…彼女を助ける人はいなかったのか、彼女は誰かに救いを求めることはできなかったのか…。でも同情はできない嫌悪感が渦巻く。あのいたいけない子供たちを食べ物も与えず放っておいたらどうなるかわからないはずがない。それでも母を信じ求めていた幼子を思うといたたまれない。だが蓮音だけの責任ではない、つみびとは彼女だけではなかった。

2019/08/10

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