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持続可能な魂の利用 (単行本)

持続可能な魂の利用 (単行本)

持続可能な魂の利用 (単行本)

作家
松田青子
出版社
中央公論新社
発売日
2020-05-19
ISBN
9784120053061
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「持続可能な魂の利用 (単行本)」のおすすめレビュー

「おじさん」よ、いなくなれ! 男社会の闇を味わった女性がこの国の“地獄”を変える!?

『持続可能な魂の利用』(松田青子/中央公論新社)

「おじさん」は、その存在自体がすでに罪悪だと思う。何も私は歳を重ねた男性すべてを「おじさん」と呼びたいのではない。胸元、スカートの裾、太ももにはりつくねっとりとした視線。人の外見をいじって軽口を叩くことを悪いと思わない無神経さをもつ男性が「おじさん」であり、そんな男性を疎ましく思うのだ。こちらが嫌がる様子に気づきもしない鈍感さには呆れる。そんな存在が、厚顔無恥にもこの世界を闊歩し、この世界のルールを形作っているのだと思うとゲンナリ。「そんな大げさな」「自意識過剰だな」と嘲笑う人も多いだろうが、そんな「おじさん」の存在に怯え、彼らの顔色をうかがわざるを得なかった経験をもつ女性はきっと少なくない。

 松田青子氏による『持続可能な魂の利用』(中央公論新社)は、「おじさん」に抑圧され続けてきた女性たちのレジスタンス小説。どうして日本という国はこんなにも「おじさん」中心にできているのだろう。女性たちはどうしてこんなにも生きづらさを強いられているのだろう。この小説を読むと、現代社会の問題点が浮き彫りになっていく。…

2020/6/6

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持続可能な魂の利用 (単行本) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

fwhd8325

「おじさんが消える」そんな挑戦的な物語、おじさんとしては複雑ですな。2部構成の物語ですが、2部になって俄然面白くなってきました。今、私たちはまさに向かわなければいけない局面にあるのだ!時が尽かせてくれたようです。少女に横っ面を叩かれたようです。おじさんは、そんな世界観もけっして毛嫌いしませんぞ。

2020/11/08

いたろう

短編集でも長編でもない、イメージの連続、コラージュ的な小説。正に、デビュー作のタイトルにある「スタッキング可能」(stackable)なパーツを積み重ねていったような作品。中心となる登場人物はいるものの、ストーリーは、この小説では大きな要素ではないと感じられる。言及されるテーマは、「おじさん」というやっかいなもの、搾取される存在としての「女子高生」「制服」、そして、とうとうと述べられる日本における女性アイドル論。「持続可能」(sustainable)とは、スタッキング可能に対するアンチテーゼなのだろうか。

2020/09/12

14番目の月

松田さん作品は共感するものばかりだったが、これは合わなかったかなと思う。 発想はとても面白いのだけれど、どこか攻撃的で優しさが感じられない。 「おじさん」を一つの固定概念に押し込めなくてもいいと思う。 私は若い頃に尊敬できるおじさんにたくさん出会ってとても感謝しているし、我が家の夫も息子たちもおじさんであるのでちょっと複雑な気分になりました。 多くの人が共感するのだろうなということも理解できるし、共感できる事がうらやましく思うところもある。

2020/09/03

ヘラジカ

消費され踏みつけにされてきた女性たちの革命。日本社会の醜さをまざまざと見せつけられ、明確な理由があるわけではないのに、男性であるというだけで居たたまれなくなる読書だった。SNSを見るだけでも、ここに書かれている生温い地獄は全て現実のものだと分かってしまうのがなおさらに辛い。果たして第二部の展開が荒唐無稽だと、今の日本を、世界を見ていながら笑えるだろうか。松田氏自身が翻訳している『彼女の体とその他の断片』やナオミ・オルダーマンの『パワー』と同じく、世の男性は「おじさん」化しないように読みましょうと言いたい。

2020/05/20

pohcho

日本における女性の生きづらさがさまざまな方向から描かれているが、後半は壮大な話に。確かに、今の政府の迷走ぶりを見ていると、こんな裏事情があるという方がまだ救いがあるのかなあと。面白かった。表紙カバーをめくると違う写真になっていて、そちらも素敵。

2020/06/13

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