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囚われの山 (単行本)

囚われの山 (単行本)

囚われの山 (単行本)

作家
伊東潤
出版社
中央公論新社
発売日
2020-06-22
ISBN
9784120053146
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囚われの山 (単行本) / 感想・レビュー

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鉄之助

死者119人、史上最大最悪の山岳遭難事件・八甲田雪中行軍の史実をもとにしたフィクション。歴史雑誌の編集部員が、この事故の陰に隠された当時の軍部の”陰謀”に迫るサスペンス仕立てで一気に読ませてしまう、伊東潤の筆力はお見事! タイトルがいい。八甲田に閉じ込められた遭難者だけでなく、現代に生きる我々も何かに「囚われ」ていないだろうか? 雑誌廃刊の危機や出世争い、はたまた家庭不和……「どうにもならない」と思い込む=囚われに苦しむ編集部員や編集長。我が身にも当てはまる。まさに「人」が四角の中に閉じ込められている。

2020/07/14

旅するランナー

八甲田山雪中行軍遭難事件から120年。月刊誌編集員菅原は、特集号出版の現地調査のため、青森へ向かう。そして、軍部の陰謀・消えたひとりの隊員という、新たな事実を発見する。環状彷徨(リングワンダリング)・矛盾脱衣など、雪山遭難時の現象の描写も興味深く、我々はこの小説に囚われかけます。でも、終盤のあり得ない展開には、天は我々を見放したという無念の思いが込み上げてきます。

2020/09/27

ちょろこ

あの歴史に残る“八甲田山雪中行軍遭難事件”の一冊。面白かった。この事件の特集企画担当になった編集者がいくつかの謎に迫っていくサスペンス。取材という形式で事件を辿っていく過程は詳細かつ興味深く読ませてくれる。猛吹雪の中全てが裏目に出る虚しさ、不運の連鎖、軍隊という組織に囚われた故の仕方ない選択、苦渋の決断が何度も胸を打つ。そして遭難死した兵士人数の違いに囚われた主人公はその答えを見つけられるのか…終盤は嫌な予感と共に臨場感溢れる描写に心は囚われた。任務完了!涙と共にちょいコケた気分を味わった印象的な作品。

2020/07/17

のぶ

この本が八甲田山の遭難事故の話だと聞き、新田次郎の焼き直しだろうと読み始めたら、切り口が違っていて、面白く読む事ができた。歴史雑誌の編集部員・菅原誠一は、特集企画「八甲田山雪中行軍遭難事件」を担当することになった。遭難死した兵士の数が記録によって違うことに気が付いた。物語は現地で取材に赴き、その事実関係の調査を始める。本作では当時の遭難の悲惨さも迫力を込めて再現されており、真実に迫りくる読み物になっている。後半、取材のため、地元ガイドととともに冬の八甲田に足を踏み入れた部分は、必要なのか疑問を持った。

2020/07/17

モルク

歴史雑誌の編集者菅原は、特集企画のため青森に向かう。言わずと知れた陸軍が199名という登山史上最大の遭難を出した八甲田雪中行軍を取り扱うためである。そこで遭難死した人数が合わないことに疑問をもつ。そしてこの行軍は日露戦争を前にした厳寒、凍傷の人体実験ではないかという推察も。猛吹雪、ホワイトアウトの中隊員たちの体力の消耗の様子など臨場感溢れる。ディアトロフ峠の遭難事件「死に山」との対比もあり面白かった。だが、エピローグの最後、これは何?全ての良さがここで不快感に変わった。

2020/10/17

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