最高のアフタヌーンティーの作り方 (単行本)
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「最高のアフタヌーンティーの作り方 (単行本)」のおすすめレビュー
人生は苦いからこそ、甘いものが必要。疲れた心に沁みる、老舗ホテルのアフタヌーンティー
『最高のアフタヌーンティーの作り方』(古内一絵/中央公論新社)
学生時代、数日間だけケーキ屋でアルバイトをしたことがある。寂れたショッピングセンター内の小さな店だったが、地元のお客さんにはそれなりに人気があったようだ。真剣な顔でショーケースを覗き込む子ども、照れくさそうにケーキを選ぶ中学生男子グループ、いつも大量のシュークリームを購入していくおばあさん。思いのほか多かったのは、ケーキをひとつだけ買うお客さんだった。いたって普通の素朴なケーキだったが、それはきっと小さなごほうび。白い箱を持ち帰った先では、心がほっとゆるむ特別なひと時が営まれていたに違いない。
古内一絵さんの新作『最高のアフタヌーンティーの作り方』(中央公論新社)も、頑張る人々へのごほうびのような一冊だ。人気作「マカン・マラン」シリーズでは“夜食”で読者の心を癒してきたが、このたび供されるのはアフタヌーンティー。都内の老舗ホテルで働く29歳の遠山涼音、同じホテルのシェフ・パティシエである飛鳥井達也、アフタヌーンティーを作る側に置かれたふたりの視点で物語が紡がれていく。
涼音は、産休に…
2021/4/20
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最高のアフタヌーンティーの作り方 (単行本) / 感想・レビュー
まちゃ
東京の老舗、桜山ホテルのラウンジで供されるアフタヌーンティー。最高のアフタヌーンティーの作り方を模索するスタッフと、それを楽しみにするお客さん。主人公はスタッフの遠山涼音とシェフ・パティシエの飛鳥井達也。二人を中心にスタッフやお客さんが、仕事や私生活で抱えたモヤモヤと葛藤しながらも前に進んでいくお仕事小説。読み終わって、ホッとする古内さんらしい作品でした。良かったです。「ソロアフタヌーンティーの鉄人」クリスタさんを目指したいものです。
2021/06/19
松本ぼんぼん
桜山ホテル(実は椿山荘)が舞台。主人公は遠山涼音。アフタヌーンティーを愛し、シェフの飛鳥山達也他とぶつかりながら成長します。最後には、達也との将来が予感される、元気が出る物語です。流れでは、続編は無いと思います。
2021/06/20
tetsubun1000mg
老舗ホテルのアフタヌーンティー部門で働く女性のお仕事小説か? と読み進めていたが、非正規雇用、ワンオペ育児と仕事復帰、識字障害など深い課題も織り込みながらも、主人公の設定と真っすぐさですんなりと読めてしまう。 筆者がこの部門に詳しいのかと思っていたが、巻末の参考文献と実際にホテルやパティシエールに取材したことが分かった。 いろんな人やストーリーを織り交ぜながらもこの読みやすさと余韻は、説明しすぎずシンプルな文章になっているからかな? 文書を読みながら映像がスーッと浮かんでくるような作品だった。
2021/07/31
けんとまん1007
アフタヌーンティー、知りませんでした。読みながら、物語の展開と合わせて、ほんのりとした甘さを感じた。プティフール。いろいろな味わいがあるからこそ、全体としての美味しさにつながるのと同じ。形式よりも、本当に美味しそうに食べる姿・・・。ここからつながることは広く深い。
2021/09/15
nanako
お菓子はご褒美…ですよねぇ。ほんとそう思います。ずっと、椿山荘を思い浮かべながら読んでいました。食べるロケーション、シチュエーションも含め、アフタヌーンティーなんでしょうね。涼音の純真さに救われました。
2021/08/22
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