KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

星を掬う (単行本)

星を掬う (単行本)

星を掬う (単行本)

作家
町田そのこ
出版社
中央公論新社
発売日
2021-10-18
ISBN
9784120054730
amazonで購入する Kindle版を購入する

ジャンル

「星を掬う (単行本)」の関連記事

町田そのこ『星を掬う』×永井みみ『ミシンと金魚』。ともに認知症を描いた2人の作家に聞く、認知症と家族、小説のお話《対談》

 すばる文学賞受賞のデビュー作にして、三島由紀夫賞の候補ともなった永井みみさん『ミシンと金魚』(集英社)は、認知症を患うカケイさんという女性が、現在と過去をいったりきたりしながらその半生を語るという物語。〈カケイさんの中に亡き祖母を見た。祖母もきっと見ただろう花々に私も出逢えると信じて、これからも生きてゆこう。〉とコメントを寄せた町田そのこさん。本屋大賞にノミネートされた町田さんの『星を掬う』(中央公論新社)もまた、認知症を患った女性が登場し、主人公である娘の葛藤が描かれる。そんなおふたりの対談がこのたび実現。小説を書くうえでの姿勢についても、うかがった。

(取材・文=立花もも、撮影=川口宗道)

町田そのこさん(以下、町田) 『ミシンと金魚』は刊行当初からものすごく話題になっていたので手にとったのですが、認知症を患っている方の、内面の奥の奥までえぐるように描かれているところに、グッときました。コメントにも書いたのですが、昨年、認知症だった祖母を亡くしたこともあり、語り手のカケイさんの姿が祖母に重なったんですよね。祖母はカケイさんのように壮絶な人生…

2022/7/7

全文を読む

痛みを理由にするのは楽かもしれない。でもその先へ――すれ違う母娘の物語『星を掬う』町田そのこインタビュー

言えないことをいったいいくつ飲み込みながら、人は生きていくのだろう。そして誰かが言えなかったことにいくつ、思いを巡らせることができるのだろう。読む人の胸に、声なき声を聞く、ということを届けた、前作『52ヘルツのクジラたち』。本屋大賞をも受賞した大反響のなか、町田さんが考えていたのは、誰かの声を“掬う”ことだった。

(取材・文=河村道子 撮影=山口宏之)

「『52ヘルツのクジラたち』には子どもを虐待し、捨てた母が出てくるのですが、漠然と、“彼女の側面を書ききれていなかったな”と考えていたんです。もちろんあの物語で、それについて書くことは蛇足だったかもしれません。けれど虐待する親にも、本人しかわからない事情やどうしようもない感情があったかもしれないということが自分のなかに残って。やるせない事情で、まっとうな親として評価されなかった人、されない人々の側面を書いてみたい、それを受け止める娘の姿から母と娘の関係性を書いていきたいと思いました」  新たな物語は、“娘”のやりきれない現在地から始まる。「おめでとうございます。芳野さんの思い出を、五万円で買い取り…

2021/11/7

全文を読む

関連記事をもっと見る

星を掬う (単行本) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

starbro

町田 そのこ、3作目です。本屋大賞受賞後第一作は、不器用で幸薄い母娘たちの壮絶な物語でした。最期は、微かな星を掬えハッピーエンド、千鶴の今後の将来に幸あれ。 https://www.chuko.co.jp/tanko/2021/10/005473.html

2021/11/03

さてさて

『ひとにはそれぞれ人生があ』る。この作品では、『母さえ、わたしを捨てなかったら。そうしたら』と、自らの人生の苦悩を母親のせいにして生きてきた娘の姿がありました。そして、そんな娘が母親と再会して感じること、”捨てた側”と”捨てられた側”の思いがぶつかり合う先に浮かび上がるのは、それぞれがそれぞれを慕い合う優しい想いに包まれた母親と娘の姿でした。「星を掬う」というこの作品。すれ違ったからこそ見ることのできた美しい星の輝き。星を掬い取るという人の心の機微を感じさせる優しい想いに心を打たれた素晴らしい作品でした。

2021/10/23

ろくせい@やまもとかねよし

血縁母娘であるが故の利己と利他の混沌が描かれていた。突然実母がいなくなった娘。育児ノイローゼで実母が去った娘。異常な母の過干渉を強制的に受け入れてた娘。非常な出産を母に助けてもらえなかった娘。娘の利己的攻撃は弱者の暴力と喝破。娘を捨てる選択した母。彼らは同じ年頃の血縁はない娘を親身に受け入れる。まるで許されない罪への罰を受けるように。再開した2組の母娘と家族同様の娘5人の心境で綴る。「親でも子どもでもそれぞれの大切な人生」の描写。私がある漫画で知り30年以上大切する言葉と同じ。驚きとともに言い難い感動も。

2021/12/17

bunmei

テーマは母と娘の母子愛なのだろうが、育児放棄、嫁姑、DV、十代の妊娠、親の介護等、様々な社会問題をも投げかけてくる。母が娘を手放したばかりに、悲痛な運命を強いられた娘の視線を通して、終始、重苦しい空気を漂わせている。同様に心の傷を抱えて生きてきた5人の女性達の共同生活を通して、それぞれが内に秘めた悲痛な叫びと共に、その生き方について振り返りながら綴られていく。母子だからこその辛さや寂しさ、痛さまでもが伝わってくるが、ラストには、母子の絆の確かさと安堵によって、穏やかな気持ちで目頭を熱くさせる物語である。

2021/12/27

うっちー

辛い小説でした。千鶴の変化が救いでした

2022/01/16

感想・レビューをもっと見る