KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

写文集-我が愛する詩人の伝記 (単行本)

写文集-我が愛する詩人の伝記 (単行本)

写文集-我が愛する詩人の伝記 (単行本)

作家
室生犀星
濱谷浩
出版社
中央公論新社
発売日
2021-12-09
ISBN
9784120054822
amazonで購入する

写文集-我が愛する詩人の伝記 (単行本) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

がらくたどん

ご感想に惹かれ。犀星が評する必要もないほどにその詩と人物を愛でた先輩・友人・後輩の思い出を綴った『我が愛する詩人の伝記』はとても楽しく読み心地が良い作品なのだが、それに濱谷氏の写真を添えて再編されたメモリアルな1冊。ちょうど自分が生まれた付近の年代のせいか「見たような気がする」風物が連なり、当時の「婦人公論」という連載先のホンの半歩頑張った気安さとあいまって、詩は学校で習うものというより例えば自分の両親のような市井の商家の男女が一日の終わりにフト気を休めて日常から片足を抜く時の愉しみだったことを思い出す。

2022/04/25

たま

随分昔に文庫で『我が愛する詩人の伝記』を読み、とても面白く強く印象に残った。最近図書館で犀星の文章に濱谷浩の写真を取り合わせた愛蔵版を見つけ再読。対象を掴み取る犀星独特の視点と表現に改めて感心し、昔読んだ時に人を見る眼と言う点で多くのことを教わったとつくづく思う。文章と同時期(1950年代終わり)に撮られた濱谷さんの写真は、各地の風土が色濃く(白秋の柳河、光太郎の安達太良山、朔太郎の前橋…)見飽きない。白秋、光太郎、朔太郎、迢空、堀辰雄、立原道造、津村信夫、山村暮鳥、百田宗治、千家元麿、藤村、犀星。

2022/04/19

柊渚

在りし日の亡き師や友を偲び、その思い出を綴ったもの。詩人ならではの瑞々しい言葉の中にユーモアを交えながらも、時折哀しみを滲ませる。こんな自分が皆より長く生きているのが申し訳ないと、自嘲ぎみに呟く後ろ姿が眼前に浮かび上がってくるようで。そんな少し寂しげな彼の背中に声をかけることができるのなら、貴方は後世の作家、そして多くの読者から立派に愛されていますよ、と伝えてあげたい。犀星のどこまでも優しい眼差しに、胸が温まる作品です。

2022/02/07

エリンギ

「たまらん…」というつぶやきとため息が何度出たかわからない。たまたま書店で手に取ったことで本書に初めて触れた。室生犀星が一人ひとりにたいする友情や愛情に触れるたび感動して鳥肌がたった。そしてわたし自身が犀星にかけてもらったように錯覚する言葉をいくつもノートに書き留めた。

2022/02/01

兵頭 浩佑

写真とタイトルを見ただけで手に取れる本。あらすじやお気持ちや、まして"書評"などは金輪際必要がない。文芸とは、私のためのただの娯楽である。あなたのあらすじやお気持ちとは何の関係もないし、それがなくなってあなたの生活がどうなろうが知ったことではない。 また、ただただ私的に遊んでいるだけのことを他者にことさらに表明し、誇り、あるいはそこにある種の権威を見出すことほど馬鹿げたものはない。あなたのそれらについては、私にとっては何の価値もない。 私は私の詩人が彼の詩人達と久しぶりに会う様を楽しく見ているだけである。

2021/12/19

感想・レビューをもっと見る