KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

ロング・アフタヌーン (単行本)

ロング・アフタヌーン (単行本)

ロング・アフタヌーン (単行本)

作家
葉真中顕
出版社
中央公論新社
発売日
2022-03-09
ISBN
9784120055119
amazonで購入する Kindle版を購入する

ジャンル

「ロング・アフタヌーン (単行本)」の関連記事

書くこと、読むことが拓く可能性。葉真中顕が示す現代小説の到達点『ロング・アフタヌーン』インタビュー

“小説はその本を手にした者が読むことによって完成する”。古今東西、書き手となった人たちが発してきたその言葉が示すところとはいったい何なのだろう。書くこと、読むことの間ではどんなシナジーが生み出されているのか。

(取材・文=河村道子 撮影=TOWA)

 ロスト・ジェネレーション世代が抱える壮絶な闇を抉った『絶叫』、日系ブラジル移民の間で起きた分断を描く『灼熱』をはじめとする作品群から社会派作家として知られる葉真中さんが本作で分け入ったのは、フィクションが人に及ぼす作用の深淵にあるもの。 「作家には、生み出したキャラクターが自身に憑依する人とそうでない人がいると思うのですが、これまでの私は圧倒的に後者でした。自分のなかに多視点を用意し、それを合議させ、キャラクターたちを俯瞰しながら動かす、という書き方をしてきた。けれど“小説家になりたい”と、私のなかに現れたひとりの女性を書いていくうち、これまで得たことのない感覚で“彼女”は私に憑依してきた。自分とは属性的に距離のある、たとえば更年期障害があるとか、身体的にも絶対に経験できない感覚すら持つ人だったので…

2022/4/6

全文を読む

関連記事をもっと見る

ロング・アフタヌーン (単行本) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

starbro

葉真中 顕は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、頁数から短編集かと思いきや、桐野夏生的なイヤミス中篇でした。これはこれで面白いですが、作中小説の「犬を飼う」を前面に打ち出した方が、良かったかも知れません。 https://www.yomiuri.co.jp/life/digilife/online/20210305-SYT8T1879963/

2022/04/15

イアン

★★★★★★★☆☆☆299冊目はイヤミステイストな葉真中顕の長編。編集者・梨帆の元に届いた一冊の原稿。それは過去に梨帆が可能性を感じながら新人賞を逃した主婦による私小説だった。夫からの理不尽な仕打ちと殺意を綴ったその作品は、なぜ7年を経た今送られてきたのか。繊細な筆致で綴られた怒り・焦り・諦念は女性作家と見紛うほど。SFホラー風の作中作(いや、作中作中作か)『犬を飼う』も衝撃的だが、どうせなら梨帆が大絶賛する『銀の船にきみを乗せて』も読みたかった。さて、区切りの300冊目はあの作家の記念碑的作品にしよう。

2022/08/24

fwhd8325

冒頭の「犬を飼う」を読んだときに、厄介な作品なのかと不安になりました。読み進むうちにその不安は薄れていくのですが、厄介な物語なのは変わりません。とても不思議な作品だと思いました。そして、今までの葉真中作品とは違う世界に、戸惑いもありました。しかし、それが持ち味というのでしょうか、魔力に引き込まれるようでした。

2022/08/08

まちゃ

新央出版の編集者・葛城梨帆の元に届いた原稿。作者は以前新人賞で落選した主婦の志村多恵。多恵作の作中作とリンクして進む、編集者と主婦、二人の女性の苦悩。作中作が出てくる小説は入れ子構成のせいで読み難いという先入観がありましたが、結構読み易かったです。行き難さを抱えた女性の長い午後。大きな山場があるわけではありませんが、最後まで読ませる不思議な作品

2022/04/19

いつでも母さん

志村多恵作の小説が二編。7年前の『犬を飼う』そして今『長い午後』その私小説の様な作品に編集者・葛城梨帆が取り込まれる不穏な空気が重く苦い。小説の中の人物にも莉帆や多恵にも共感など出来ないのに、何処に向かうのか気になってページを捲った。「あなたの共犯者になって」・・その先には何が?そして、私の午後はいつまでだろう。

2022/04/11

感想・レビューをもっと見る