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犯罪心理学入門 (中公新書 666)

犯罪心理学入門 (中公新書 666)

犯罪心理学入門 (中公新書 666)

作家
福島章
出版社
中央公論新社
発売日
1982-10-22
ISBN
9784121006660
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犯罪心理学入門 (中公新書 666) / 感想・レビュー

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とくけんちょ

1982年の本。おおよそ40年前の犯罪者に対する精神分析。考え方、捉え方が今とは異なる部分が多い。今の方が、もっともっと細分化しているような気がする。筆者は心理学者でなく、精神科医。よって、事例研究が多いので、とっつきやすい。本書の中で、近時、通り魔事件が問題になっていると取り上げられている。事例では、親族までが犠牲となった、今で言うストーカー殺人事件もあり。決して、現代になって、残虐な事件が増えたわけではない。そうなると犯罪心理学は、進歩していると言えるのだろうか。

2022/07/03

James Hayashi

82年初版。著者は上智大名誉教授で心理学者でなく精神科医として刑務所などで精神鑑定に従事。犯罪者の心理的病理を見ていくが、かなり専門的で分かりやすいようであり分かりにくい。興味はあるが昔読んだフロイトなど読んでからの方がいいかもしれない。精神薄弱は(98年)知的障害、精神分裂病は2002年以降、統合失調症と呼ばれ犯罪者の責任能力を問われ精神鑑定が行われている。精神的病も遺伝するような事を最近耳にしたが、色々な要素があり一概には言えないようだ。

2017/12/15

ヤギ郎

すごく古い本なので(初版:1982年),取り上げられる事例はもはや歴史の出来事になっている。犯罪を行う時の心理とその発生要因(原因)を体系的にまとめている。フロイトやユングといった,有名な心理学者の議論も参照している。あとがきで,筆者は「…犯罪とか狂気という限界状況での人間の心理と行動は、実存の深淵に思いがけぬ光を投げかける。われわれは、彼らをとおして、自分について、人間について、多くのことを学ぶことができるのではなかろうか。(215)」と述べていることが印象的。

2018/05/15

アリス

振り返ると、一本の道が伸びている。今の自分へと続く、心の小道。親子の葛藤、甘えや妬み、怨み、愛欲のもつれ、etc……。誰もがたどったことのある道に、突如として恐ろしい深淵が口を開けている。犯罪と言う名の底知れない穴。誰もが持っているものではないが、誰もが持ちうるものでもある。犯罪者の心理は一側面だけでは理解できない。遺伝、体型、脳障害等の「生物学的次元」、知能、性格、幻想等の「医学的心理学的次元」、親子関係や社会環境等の「心理社会的次元」、価値観、地域、学校等の「文化社会学的次元」を慎重に検討し、

2014/02/22

生ハム

“犯罪”は絶対的なものではなく人間が決めたルールなのに、 それに心理学が絡んでくる、ということが面白いと思いました。時代がちょっと古めなので(分裂病って言葉が普通に出てくるし)、精神病について少しだけ過激な表現してるとこもあって、新鮮で面白かったです。最後の方にある、 「攻撃性と依存性との関係は、これからの犯罪心理学の大きなテーマになるであろう」 っていう一文は先見の明が感じられました。

2013/04/09

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