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ウィーン愛憎―ヨーロッパ精神との格闘 (中公新書)

ウィーン愛憎―ヨーロッパ精神との格闘 (中公新書)

ウィーン愛憎―ヨーロッパ精神との格闘 (中公新書)

作家
中島義道
出版社
中央公論社
発売日
1990-01-01
ISBN
9784121009562
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ウィーン愛憎―ヨーロッパ精神との格闘 (中公新書) / 感想・レビュー

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水無月

約30年前のウィーン留学記、また日本人学校の現地採用教員の体験記として面白く読みました。そして主たるテーマのヨーロッパ人の精神構造、対人関係のトラブルの数々は、私自身が現在、日本人ではありますが、絶対に自分の非を認めない相手にどう対応したら良いか悩んでいるので、大変参考になりました。私の場合は文化の違いなんて高尚なレベルじゃなく、相手が単なる我儘で幼稚な困った人だとは思いますが、著者の体験は役立ちそう。相手を怒らせた自分が未熟なのだと己を責めがちな日本人としては。

2017/09/03

蘭奢待

へんくつ哲学者中島の作品。若かりしころウィーンに私費で留学したことについての苦労話し。ウィーン人のカルチャーや物の考え方の違いにこのへんくつ哲学者が苦労する。どんなに無茶な屁理屈でもあくまで自己を主張し自己を弁護する文化。ユーラシア大陸の一国家が長い歴史の中で醸成されてきたカルチャーであることを思う。

2018/08/26

ぱなま

若かりし中島義道氏のウィーン留学記。家探しから挙式まで、生活のさまざまな場面に直面したウィーンの人びとにたいする「愛憎」の記録…とはいえ、実際本書の九割がたは「ヨーロッパ人の中華思想」に関する批判です。あまりに理不尽な社会が当然のごとく成立している事態が、「カフカ的世界の現前」といわれれば思わず納得しかけるほどです。とはいえ愚痴っぽくはならず、遊び心に溢れた文体に何度も笑わせられました。渦中では必死だったでしょうが、立ちはだかる困難に果敢に挑戦せんとする勢いのようなものには励まされます。→

2016/10/13

Ted

90年1月刊。一般に留学記というと現地人との温かい交流が主に描かれるが、本書はその点でかなり異色。不愉快な思い出の方が多くても発表時には虚栄心が働いて大抵の人はよいことばかりを書きたがるものだが、本書では家主や役所とやり合った一部始終が包み隠さず述べられている。日本人的対処で何度も痛い目に遭ううちに、彼らが一体どういう理屈に基いて行動する民族なのかが分かり始め、そのうち徐々に「連中のやり口」が予想できるようになり、終にはそれを逆手に取って対等かつ効果的な喧嘩ができるまでに成長(?)していく過程が面白い。

2011/12/22

白義

海外留学の身も蓋もない現実、厳しさとかくも真正面から格闘し、それに関わることを一言一句言語化しようとする思想家精神が素晴らしい。個人の自己主張自己防衛が絶対的という極めて硬質なウィーンの風土に此彼の違いを感じるものの、ときにここまで言葉を尽くすことが成り立っているのが日本と比べて羨ましく思うことも。果たして、中島義道は日本だとまたその没個人的風土を醜悪だと徹底的に格闘してみせるのだった。流産のエピソードは重すぎて言葉が出てこない。留学生なら必読であり、闘う姿勢においてこのジャンルの紛れもない名作

2012/09/29

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