KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

日本恋愛思想史 - 記紀万葉から現代まで (中公新書 2193)

日本恋愛思想史 - 記紀万葉から現代まで (中公新書 2193)

日本恋愛思想史 - 記紀万葉から現代まで (中公新書 2193)

作家
小谷野敦
出版社
中央公論新社
発売日
2012-11-22
ISBN
9784121021939
amazonで購入する Kindle版を購入する

日本恋愛思想史 - 記紀万葉から現代まで (中公新書 2193) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

harass

著者のライフワークである恋愛がいかに語られてきたか、の最新版。恋愛が世界や日本の文学などでどのように語れているかをまとめてある。この著者の最近の作品にしては正直いって水増し感が無いので実におすすめである。恋愛強者からの恋愛結婚至上主義への異議申し立てを行う長年の著者の労力の賜だ。同じ国の文化でも階層というものでずいぶん違いがあるはずだが、その階層のことを指摘するのは現代では難しくなってきているようだ。単純に多数決で判断するものでもない。恋愛という非常に個人的な行為は、時代の変遷もあり判断が難しいと実感。

2016/08/20

isao_key

文学を通してみた日本人の恋愛について取り上げている。文学以外に評論、マンガ、海外文学との比較も論じられている。日本文学が専門の先生でも、ここで取り上げれれている本を読んでいる人は少ないだろうと思うくらい幅広い大生の文学を読み、語っている。時折挿入されることばの知識が楽しませてくれる。プラトン『饗宴』は、ギリシア語でシュポージオーンであり、酒を飲まずにシンポジウムと称して討論するのは本来はおかしいとか、「ア・カペラ」というのは、教会では伴奏なしの讃美歌を歌ったからで、ラテン語で「教会で」という意味だと言う。

2016/03/03

及川まゆみ

この人の本は初めて読みました。単純に面白かった。小ネタのオンパレードって感じでした。「菊池寛は中学時代からの男色家だったが、一高時代、男色相手がマントを盗んだ罪をかぶって退学になり京大へ行った。菊池は醜男だったから、恋愛など夢想せず、親の勧める相手と結婚した。(略)文壇の大御所となり、あちこちに愛人を作った。しかしそれも金の力だと思うと、菊池は虚しいものを感じた」このネタが一番のヒット(笑)。すげーなおい。「めぞん一刻」ソープランド論争も面白かったです。与謝野晶子の解釈も興味深いです。情報量の多い本。

2014/06/30

   ぬ

読んでよかった、これは凄い新書だ、とおもった。以下に3点理由を述べる。1、文学を通した文化史的な著作として、この分量でこの参照文献量で索引付きで一貫した態度(例えば〇〇という特徴をもつ「恋愛」なるものは××という範例に見られるように△△の契機に構築された、といった議論の相対化や、近代の「恋愛結婚至上主義」の覇権性といった著者の観点など)は、教科書/叩き台として貴重な水準であるように思われたから(要約的に、ともすれば断定的に示された本書の記述を、諸文献を渉猟しながら検討し直せば、相当くわしく学べると思う)。

2014/04/07

よしひろ

世界文学と比較しながら、日本の恋愛論を展開する。光源氏、和歌、男色や少年愛、江戸時代の人情本、「青い山脈」や「ノルウェイの森」など、古今にわたり日本の恋愛文学を浮き彫りにしていく。

2016/03/28

感想・レビューをもっと見る