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菅政権と米中危機-「大中華圏」と「日米豪印同盟」のはざまで (中公新書ラクレ, 710)

菅政権と米中危機-「大中華圏」と「日米豪印同盟」のはざまで (中公新書ラクレ, 710)

菅政権と米中危機-「大中華圏」と「日米豪印同盟」のはざまで (中公新書ラクレ, 710)

作家
手嶋龍一
佐藤優
出版社
中央公論新社
発売日
2020-12-08
ISBN
9784121507105
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ジャンル

菅政権と米中危機-「大中華圏」と「日米豪印同盟」のはざまで (中公新書ラクレ, 710) / 感想・レビュー

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kawa

日米のリ-ダ-が交代する時期、論客のお二人が東アジア情勢を中心にいつもの通りの深くて「あっ、そうか」という納得感の高い議論を展開する。安倍辞任による戦略上の空白を菅機関がカバ-できるか、親中の二階幹事長と如何に調整するか、米ロ関係と米中関係の違い、台湾は「21世紀のベルリン」日本も当事者、与那国島の戦略的重要性等々刺激的な話題が目白押し。

2021/01/09

ta_chanko

米中危機は思ったよりも深刻。台湾海峡・南シナ海・東シナ海でいつ偶発的な武力衝突が起こってもおかしくはない。その時は日本も当事国としての決断を迫られる。そのような事態にならないためにも、日米豪印+ASEAN諸国と連携を深め、中国の海洋侵出を牽制していくことが不可欠。ロシアとの関係強化や北方領土問題解決もチャンス。中国による日米離間工作にも注意。アメリカは共和党トランプ政権のリアリズム外交から、民主党バイデン政権のイデオロギー外交に変わったことも懸念材料。

2021/04/03

羊山羊

注目はバイデン氏と中国の行方。2人の対談ではアフターコロナが口の端に出るが、それは米国の方で中国は依然と変わらずその帝国主義を緩める気配はなさそうだ。印象深かったのは中国という国のシステム性。習金平氏という個人が独断で振る舞うのではなく、共産党が法を以て人民を統制する法制国家+帝国主義的側面が強いというお話。これはこれからの中国文学や政治を読む上でも重要となる指摘のはずだ。そして、トランプ氏が米国から奪った米国の理念を取り戻せるか、という所にかすかな緊張のにじむ対談だった。

2021/01/24

Hatann

20年9月に菅政権が発足ののち11月にバイデン勝利の速報がなされたころ纏めたもの。トランプ大統領の指南役を果たした安部前総理の外交上の役割を評価しつつ、菅政権の課題を検討する。米国の反中意識は鎮まりそうになく「日米同盟を基軸としつつ近隣諸国とも良好な関係を築く」といっても簡単ではない。台湾有事は日本の安全保障とも直結するも、日米同盟を優先すれば、中国との経済的な繋がりを喪失する。中国共産党は旧ソ連と異なり国益だけ考えており、冷戦時における米ソ間の抑制のようなものを期待できない。識者ふたりの語りに納得する。

2021/08/10

こちょうのユメ

この対談は2020年に行われたものだが、いまでも十分通用する。手嶋はレーガン大統領について、アメリカ国民をひとつにまとめ上げた、人間的魅力を持つリーダーとして評価。トランプ大統領を異形のリーダーとして位置づけ、自由の理念をまったく信じていなかったとする。佐藤はロシア共産主義の本質は、ロシア正教の異端にみられるメシア思想だと考える。習近平政権を、国益を極大化しようとする帝国主義国家の典型と分析。台湾有事や北方領土問題では、日本はどんなに苦しくても、外交で危機を未然に防ぐことが大切だという。うーむ納得。⤵

2024/04/13

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