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荘子(そうじ) (1) (中公クラシックス E 4)

荘子(そうじ) (1) (中公クラシックス E 4)

荘子(そうじ) (1) (中公クラシックス E 4)

作家
荘子
森 三樹三郎
出版社
中央公論新社
発売日
2001-10-01
ISBN
9784121600165
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荘子(そうじ) (1) (中公クラシックス E 4) / 感想・レビュー

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rigmarole

印象度B+。全巻の半分ではあるものの、4年余りかけて断続的に読み進めてついに読了。平易で明解な訳文にもかかわらず、比喩や寓話に富む晦渋な書で、意味不明な部分もありました。しかし私はこの無為自然の思想に概ね同調します。例えば「物と春をなす」。「物」とは自分を取り巻く森羅万象の全て。「春」とは調和によって得られる幸福感。つまりは、自分を取り巻く世界の全てを必然的な天命と解してあるがままに受け入れ、それらに調和して心安らかに生きよ、ということでしょう。この言葉に出会った時、我が意を得たりと私は膝を打ちました。

2022/07/27

ふみふみ

斉物論萹で荘子の思想である万物斉同、絶対無差別の論理に初めて触れた時は時空を超えたSFのような世界、宇宙論、ガイア理論などのイメージが頭を過ぎりました。万物斉同の立場ではすべてのものがひとしく(そしてひとつ)全てをそのままに肯定(絶対無差別)し、生と死、現実と夢も例外ではなくひとしいとする。このような心構えが備われば少なくともメンタル最強ですが道に達するには無為自然を貫くことで人為的なものは一切否定、なので現実的なメソッドは思想の近いと思われる禅や瞑想などのそれになるのかなと思います。

2019/01/14

レートー・タト

本書は原文がなく、読み下し文→現代語訳→註という構成になっている。どうしても内篇とそれ以降の外篇との落差を感じてしまうが、福永光司の解釈を見ると、全く関係のないものばかりというわけでもないようである。個人的には講談社学術文庫から出ている福永光司の実存主義的な解釈がなされている『荘子内篇』とともに読むのが吉だと思う。ただ福永本は解釈として色濃く面白いのだが、そこで書かれているのは読み下し文ではなく、通読するというと少々大変である。なので、森三樹三郎の現代語訳・註で通読しておいてからあたるといいと思う。

2012/08/28

ぐっさん

言語・二元論的思考に対する不信感が全編を覆っている本。話を要約するならこんな感じ→「二元論的な思考から離れることこそ肝要」「ではその状態を「○○」と定義して論を進めましょう」「いやいや、そういう風に分節化するのがダメ」 // ヴィトゲンシュタインが語り得ぬものには沈黙し、語り得るものの論考から始めたとしたなら、荘子は単刀直入に、語り得ぬものに対して「考えるな、感じろ」している印象。工学者な私からすると、前者のアプローチの方が理に叶っている印象がするが、だからこそ読む価値のある本なのかもしれない。

2016/11/06

lostman

丁寧に読もうとしたのだが、私には難しかった。読んだというよりは、文字を追ったことに近い。繰り返し読み、理解を深めていきたい。とは言え、森さんの現代語訳はわかりやすい。荘子は2000年以上先にも自分の思想が受け継がれていたところで、意にも介さないのかな。人間の言葉で捉えたものは、常に有限で相対的である。言葉で説明するものは、そのことを本当に知ってはいない。荘子は言葉に対する不信を抱き続けていて、人間の思考を本当に言葉で表すのは難しいし不可能に近いのかもしれないけれど、その言葉に救われて私は生きているのだ。

2015/12/01

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