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無意識の構造 (中公新書 481)

無意識の構造 (中公新書 481)

無意識の構造 (中公新書 481)

作家
河合隼雄
出版社
中央公論新社
発売日
2017-05-20
ISBN
9784121804815
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無意識の構造 (中公新書 481) / 感想・レビュー

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夜間飛行

心的エネルギーと退行、イメージとシンボル、夢、そして個人を超えた普遍的無意識へと話題は進む。ユングは人類共通のイメージを作るものとして元型という概念を唱えた。これは人格の発展を促しもするが、暴走させ破滅に導くこともある。ユングはその捉え難さを「結晶の軸構造(結晶ができあがるまで存在しないもの)」に喩え、《先験的に与えられた表象可能性》といっている。本書ではアニマ・アニムスや影など、元型とのつきあい方が大変参考になった。例えば影は自分の認めたくない心的要素だが、これを引き戻すことによって人は成長できるのだ。

2024/03/02

アオイトリ

いい大人になって、あらためてファンタジー小説に夢中になっています。なんだか懐かしい。河合隼雄先生が説明される深層心理の世界を再読。世代も文化も超えて、誰もが共有している深い記憶?元型と言われる老賢者、始源児、トリックスター、グレートマザーなど、物語で活躍するイメージたちに納得。愛する子どもを飲み込んでしまうほどの、母性の恐ろしさも再認識しました。我が身に置き換えると、卒親して働く中高年女性のアニムスの恐ろしさも…笑。簡単じゃないけど、何事もバランス、陰陽を統合できた時、穏やかな人格で生きていけるのかなと。

2023/09/08

ばんだねいっぺい

「貧困と地域」を買ったつもりが、この本だった。敬愛する河合先生の本で、しかも未読だったので、勝手に読めということと解釈。自分のなかに押し込めていることと向き合うことをおろそかにしてはいけないなと改めて思いを新たにした。いくつか夢も、記録したい。フィレモンって、そうだったのか。

2017/07/22

そんれい

1977年初版、2017年改版。無意識の世界に興味をもちこの本を読み進めたが、「なるほど」と思わせることばかり。「自我」の中心に自覚できない「自己」があり、半覚醒時の夢にその兆候が現れるというのは面白い。今の時代のユングの評価はどうなっているのかな。

2020/12/20

シルク

無意識ちゅーもんの研究史を辿ってきて、手にした本。主にユングの視点からの把握を述べているこの本は、わたくしにとっては心地良い小休止という感じの1冊だった。河合先生の文章は不思議だ。端正と言ったら良いのか。。。何を語る時も、リズムが抑制されてて、きっちりと一定に保たれているというのか。かといって無味乾燥、堅苦しいという訳では決して無くてな。うん、岩窟に住む老賢者が語るのを聞く感じがする。今ふと思いついたのだけど、物語の中に、河合先生とイメージが重なる人がいたわ。エンデ『モモ』の、時を司るマイスター・ホラだ。

2022/08/20

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