雨の王ヘンダソン (中公文庫 C 33)
雨の王ヘンダソン (中公文庫 C 33) / 感想・レビュー
丘の家
本作をおもしろいと感じるかは、主人公の性格と饒舌を受け入れられるかどうかにかかっている。私の場合、とくに序盤(アフリカに出発するまで)が耐えがたいほどつまらなかった。そこに記された主人公の性格に苛立ちしかおぼえなかったからだ。しかしアフリカに到着してからは、この主人公が抱える弱さや衝動に若干の共感を抱くようになり、それなりに興味をもって読みおえられた。だがそれにしても本作の文体は饒舌すぎやしないだろうか。次の展開が気になる場面で、物語の勢いを削ぐ饒舌が長々と挿入されることがよくあり、読むのに骨が折れた。
2018/06/17
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