天の歌―小説 都はるみ (中公文庫)
天の歌―小説 都はるみ (中公文庫) / 感想・レビュー
ぱらっぱ
中上健次が本当にこんなものを書いたのかと思わせる不思議な作品だ。後書きに外国から帰って来て都はるみの歌を聞いて感動したことが書いてあるが、その結果がこの半生記なのかとなんともいいようのない違和感にかられる。
2015/06/05
tecchan
36歳で歌手生活からの引退宣言をした都はるみのそれまでの半生を描いた小説。33年前に刊行。 中上健次氏がこのような小説を書いていたとは知らなかった。そして都はるみの魅力を再認識した。小説刊行後、再歌手宣言、不倫同棲・相手方の自殺など波乱の人生を経て、過日のニュースによると73歳となった今、東北の田舎町で、元俳優の某氏と仲睦まじく暮らしているらしい。普通のおばさんになりたいと言って引退したけれど、やっと夢が叶ったのかも。
2021/03/17
60代でも思春期
都はるみの誕生から引退までをなぜこの作家が手掛けたのだろうか? 京都の西陣織の街で甲斐性のない父親、歌の稽古に励ませ娘にサクセスストーリーを託す母親とや妹、弟の家族模様。 歌謡コンテストの京都予選、全国大会。そこで優勝し、いきなりアンコ椿は恋の花が大ヒット。あっという間にスターダムにのしあがったと思いきや、引退のワンマンショーだ。そこで山盛りの椿の花を会場に運び入れた運転手はかつて全国大会で東北から上京しクラブ歌手を目指したいわおだった。流石の筆力だった。
2018/09/07
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