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人間の集団について 改版: ベトナムから考える (中公文庫 し 6-47)

人間の集団について 改版: ベトナムから考える (中公文庫 し 6-47)

人間の集団について 改版: ベトナムから考える (中公文庫 し 6-47)

作家
司馬遼太郎
出版社
中央公論新社
発売日
1996-09-18
ISBN
9784122026841
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人間の集団について 改版: ベトナムから考える (中公文庫 し 6-47) / 感想・レビュー

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Shoji

奥付をみると1974年に初版。40年以上も前である。しかも、まだベトナム戦争の最中である。 当時のベトナムがどんな国で人々はどんな暮らしをしていたか、私には想像もつかないが、ベトナムという国や人のアイデンティティーについて司馬遼太郎なりに綴っているのである。 時に近隣アジア諸国のアイデンティティーも織り交ぜて書いている。 40年以上前の文章にも関わらず、ベトナムの国情も今とは異なっているにも関わらず、惹きつけてやまない。

2016/12/05

レアル

1973年4月著者がベトナムに短期滞在した。ベトナム戦争中のこの年の1月にパリ協定が結ばれ、前月の3月末には米軍の撤退が完了している。そんなタイミングで南ベトナムのサイゴンへ訪れた。こちらベトナム戦争を一つの例として人間の集団というものを考えいる。民族、政治、宗教、そして戦争というものを歴史的論点から語られており、そこからたどり着く人間の集団というものの考察の鋭さは時代を超えた今でも響くものがある!なんて堅苦しく書いたが、見方を変えれば紀行文のような情緒豊かな趣もあり、ベトナムという国を知る良い本だった。

2018/04/06

ちゃとら

以前、ベトナム戦争を追った写真家の展覧会に行った時、この本に出会い購入し長い間積んでいた。ベトナムに興味があったが、この本は深かく広かった。司馬遼太郎さんの人柄も溢れていて、いつかベトナム旅行に行く前にもう一度読みたい本でした。

2020/04/14

優希

ベトナム戦争中に戦地を訪れた司馬さんの思考を覗くことができました。戦下にありながらもしなやかに生きる力はどこから来たのでしょうね。司馬史観での考察が興味深かったです。現在ではウクライナ問題の真っ最中ですが、司馬さんが生きていたらどのような見方をするのかまで考えました。

2022/05/03

朝日堂

ベトナム人を通して語られる「人間の本性」を描いた本。とりわけ仏教が日本に定着するために必要だった思想的操作の指摘がおもしろい。早くも平安初期に、土着神より外来神である仏のほうが上であるとし、土着の神々もまた人間と同様迷うとする。かつ、神々は仏法をよろこび、仏法を尊崇するとする。土着神が、仏法をよろこんで菩薩号をうけたり(たとえば八幡大菩薩)権現号をうけたり(蔵王大権現)する。さらに天照大神は大日如来が日本に垂迹した姿だというような本地垂迹説がうまれる。神仏習合において実に神は仏より格下であった。釈迦強し。

2013/07/09

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