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完訳マルコムX自伝 下 (中公文庫 B 1-32 BIBLIO20世紀)

完訳マルコムX自伝 下 (中公文庫 B 1-32 BIBLIO20世紀)

完訳マルコムX自伝 下 (中公文庫 B 1-32 BIBLIO20世紀)

作家
マルコムX
浜本 武雄
出版社
中央公論新社
発売日
2002-03-25
ISBN
9784122039988
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完訳マルコムX自伝 下 (中公文庫 B 1-32 BIBLIO20世紀) / 感想・レビュー

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chanvesa

マルコムXの思想的転回で、批判の対象が社会(「白人は生まれつき邪悪なのではなく、アメリカの人種差別社会が邪悪な行動を起こすように影響をあたえている」236頁)となり、兄弟愛(184頁)を主張するに至ったのはメッカ巡礼であった。教団から距離を置き、マルコムXはさらにストイックな、そして当然それに伴う孤独な闘いに突き進む。「もし黒人がこの国で人権を獲得するために暴力が必要ならば、私は暴力の味方だ。」(229頁)、「私は人間と握手するならかまいません。ところであなたは人間ですか?」(223頁)

2021/12/05

おにぎり

ボストン大学リンカーン教授の学生の論文が興味深い。すべての者が同胞であると謳いながら皮膚の色で信者を分けへだてするキリスト教の愛とは、白人のための愛であると。宗教の歪みを指摘している。白人がアフリカ人に対し人種融合しているようで、本当の親切心の裏側とはアフリカ国土の下の鉱物資源を狙っている。肌の色で白人と名乗りながら腹の黒さは黒人を凌いでいる。

2021/02/11

マッピー

上巻での激しい白人差別(最初の人類は黒人だった、から始まり、白人は黒人の劣化版であるという主張)は鳴りを潜め、誰をも差別をしなくてすむ、個人が尊重される世の中を作るために黒人は解放されるべきという主張へとシフトしていったマルコムX。そのきっかけが、あまりのマルコムの人気に嫉妬した黒人イスラム教団の代表イライジャ・ムハマドから教団を追われ、イスラム教の本場メッカを訪問したことによるものだったのは、あまりに皮肉。マルコムXが「キリスト教では人種差別はなくせない」というのは、今のところまだ正しい。

2023/08/19

Jack Amano

メッカへの訪問を転機として、ブラックムスリムと一線を画し悲愁は敵な黒人解放組織を設立、そして暗殺されるまでが主に下巻では書かれています。マルコムXの主張には、確かに説得力があります。アメリカにおける黒人差別はとても根深いものがあると感じます。アジア人を排斥するのとは違った形の差別。これを完全に払しょくするのにアメリカ自身が非常に苦労しているのも納得できます。マルコムXの主張は分かるが、非常に真面目でストイックに突き進んでしまうと一般の黒人が着いていけなくなり、孤立していってしまったとも言えるかな。

2021/12/12

冷たいウォンバット

中防の時に読んだ事を思い出した。とても、とても、偉大な人物、いや、エネルギー、生きる気力に溢れた人物の本です。彼が善き人間であったか、悪い人間であったかは別にして、もし、何をしたらいいかわからない人は、読む。そうして、生きて、生きて、死ぬ事を学べたら、いいかなと思います。彼がもし、暗殺されず、生きていたら。そう思います。

2015/12/26

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