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檀流クッキング (中公文庫 た 34-5 BIBLIO)

檀流クッキング (中公文庫 た 34-5 BIBLIO)

檀流クッキング (中公文庫 た 34-5 BIBLIO)

作家
檀一雄
出版社
中央公論新社
発売日
2002-09-25
ISBN
9784122040946
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檀流クッキング (中公文庫 た 34-5 BIBLIO) / 感想・レビュー

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佐々陽太朗(K.Tsubota)

自分で食材を市場へ買い出しに行く。東坡肉(トンポーロ)つくりで一日を棒に振る。文壇随一の名コック・檀一雄氏はそんな人だ。所謂食通やグルメというのとは少し違う。食べることが好きでうまいものを家庭で作る。もちろん料理店で食べることもあるだろうが、檀氏の姿勢は自分で食材を選び、手に入れて自分で調理するという家庭料理人だ。結局のところ、それが一番うまいのだ。私も下手ながら厨房男子のはしくれ。そのあたりの感覚は共通している。垂涎の料理が92種。これはまねてみるほかあるまい。

2018/11/23

めしいらず

文壇きっての料理名人、檀一雄流料理指南書。極意はイイカゲン。イイカゲンは「投げやり」じゃなくて「好い加減」。レシピや分量と首っ引き、あの食材が売っていない、この調味料が揃わないなどと、始める前から投げ出すんじゃなくて、兎にも角にもやってみよう。そうすると自分なりに工夫しようと五感が研ぎ澄まされる。分量はあくまで自分が基準。積み重ねた失敗や経験は知恵となり、自分の流儀が次第に出来上がってくる。本を読んで知識ばかりを増やし、いつでも作れるような気でいたり、頭でっかちになったりしないように。自戒として。

2014/11/09

Kajitt22

『火宅の人』檀一雄の料理本。小学生の頃、母の出奔により幼い妹たちにために料理をせざるを得なくなったと、最初に言い訳をしている。季節ごとの一品分4〜5ページの料理レシピの文章は潔く、大胆かつ本格的で本当に美味しそう。「男子厨房に入らず」の時代に、市場に買い出しに行く楽しさや料理の勘所を堂々と書いて屈託がない。一時住んでいたポルトガルやスペインの料理も登場し楽しい一冊。再読

2019/10/23

mike

9歳の時に母が家出をし、家事を任された檀一雄の料理本。今から50年も前の物だが中国、朝鮮、ロシア、スペインと彼が放浪した地での、季節感溢れる素材を使った料理の数々や、玄人はだし😲分量等大雑把だし、あるものは使い、無いものは無くて済ませればいいというスタイル。面白いのは1つ1つのレシピが短編のようにユーモアを混じえた独特の口調で語られている事だ。写真があったらと思ったが「そこは、君、自分で好きなように作りたまえ」と言われそうだ。

2022/06/29

リコリス

いやぁ〜これは最後まで読んでもまたパッと開いたページから何度でも読んでしまうなんとも素敵な本である。「醤油やみりん、酒などの割合はどうだって好みのままでよい。こんがりとあぶりあげるのだ。」ようは美味しければいいし、美味しくなかったら美味しくなるようになんか足せばよい。文体も心地よく料理のレパートリーの多さに驚かされ、どれも実に美味しそうで作者が楽しんでいるのがよい。ヨーグルトを菌から作るのもすごい!とにかくお腹が空くから夜中に読むのはやめたほうがよろしい(笑)

2016/08/23

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