庶民烈伝 (中公文庫 ふ 2-6)
庶民烈伝 (中公文庫 ふ 2-6) / 感想・レビュー
白黒豆黄昏ぞんび
猛烈な庶民を描いた短編集。60年代に書かれたものですが、この本の定義でいくと、庶民とはもはや絶滅危惧種なのかもしれない。自分の中にしっかりと残るお話でした。本来人間とは、生きるために必要なことだけをすればいいんですよね。お金とヒマがないほうが猛烈な生き方が出来るのかな、なんて。
2013/08/24
Yusukesanta
「べえべえぶしの善兵衛さん」はヒッチコックの映画にでてヘリコプターに追われて殺されそうになるケーリー・グラントを遙かに超えている。
2016/12/11
kiho
庶民を語る…という冒頭のやりとりが何とも印象的☆そして深沢さんが感じる庶民というものが、本当に人の業や情への深い眼差しから描かれていることに恐れ入る!ささやかな庶民の一生…誰にも注目されずにいる人生…そこに一番の人間らしさが表れる。だからこそ心に残る一冊!
2014/07/28
無識者
庶民的性質は少なからず多くの人が有しているにも関わらずそれをバカにしてしまいがちだ。科学的とは程遠い非合理的でがめつい庶民。でもそれでこそ人な気がする。
2016/10/22
刳森伸一
庶民の凄みを描く短篇集。玉石混淆という感じは否めないけど、「玉」の方は本当に素晴らしい。特に、戦時中のアレにより子や孫を失い、自らは失明をして戦後盲目の按摩として生きる女性の心境を描いた「安芸のやぐも唄」には心震えた。心優しい老婆の晩年のエピソードを描いた「おくま嘘歌」と、土着の歌から過酷な現実が立ち上がる「べえべえぶし」もいい。
2019/03/25
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