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月光 (中公文庫 ほ 17-6)

月光 (中公文庫 ほ 17-6)

月光 (中公文庫 ほ 17-6)

作家
誉田哲也
出版社
中央公論新社
発売日
2013-04-23
ISBN
9784122057784
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月光 (中公文庫 ほ 17-6) / 感想・レビュー

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Yunemo

まず、著者の素材の広さに感嘆。とは言いつつ、何となく気持ちにしこりを残して読了。けっしていい意味じゃなく、切な過ぎ。著者の描く女性観、高校生という設定でこんなに強いものとして表現していいの。男の馬鹿さかげんとあまりに対照的に過ぎるじゃないですか。この年代に、真実を知る意味を被せてどうするの。何だかスッキリしないのは、自身の持つ感覚との差異。そういう意味では、性別、年代別にこの読後感は違ってくるのかも。そこまで見越したうえでの作品、そうも考えられます。読後感の良し悪し以上に、改めて著者の力量にひれ伏して。

2014/08/30

とも

「春を嫌いになった理由」に続いての誉田哲也。「春を〜」はそんなに好きじゃなかったけど本作は面白かった。読んでて「オエッ」ってなる場面もあったけどそれはそれでありかなと。ただ登場人物の羽田も舜もキヨも、妹の結花ですらも誰もがクズで腹立たしかった。羽田先生は純愛を謳う様で所詮は不倫やし、キヨは更生したのかもやけど、犯した事はクズ中のクズの所業やし。唯一キラキラ光ってたのは涼子だけか。舜に至っては言葉もない。 登場人物のクズっぷりは誉田さんの狙い通りなんかもやけど、まんまと嵌められた感が強いなぁ。

2017/10/15

イアン

★★★★★☆☆☆☆☆ベートーヴェンのピアノソナタに乗せたR18ミステリ。最愛の姉・涼子が同級生の運転するバイクに轢かれて死んだ。不可解な事故死に疑問を抱いた妹・結花が、自身の高校生活を賭して辿り着いた残酷過ぎる真実とは…。非常に評価が難しい作品で、圧倒的なリーダビリティを誇る反面、そもそもの端緒となる音楽室での行為に至る涼子の行動原理が腑に落ちない。胸糞悪い描写も多々。それでも終章を「月光」を聴きながら読むと、確かに胸に刺さる。知って後悔する真実が存在するように、読んで後悔する作品もまた存在するのである。

2022/03/15

ゆこ

憧れの姉の死。『謎の事故死』。そこで終わらせたら良かったのに……知らなけ れば良いことは、きっともっとあるのだ と思う。でも、知りたいと思ってしまう のも人間だよなぁ、と分からなくもない ような。でも知ってしまったら、もう前 のようには戻れない。知らない頃の方が 幸せだったとしても。決して綺麗な終わ り方ではない。誰も幸せにならない、後味悪い感じがまたこの本らしい気もする。さて、自分は愛する人のために死ねるだろうか。

2014/01/18

のり

妹想いの姉がバイクに轢かれて死んだ。何故、現場は土地勘のない埼玉だったのか?いつも笑顔を絶やさなかった姉がどうして…疑問に思った妹の結花は、姉と同じ高校に進学し、真実を知ろうとする。それにしても、姉の涼子は何故、禁断の道に踏み込んだのか?その先に待つ地獄絵図に耐えられたのか?羽田も菅井も、香山も勝手過ぎる。よくも恥の上塗りで香山は、自分の姉に実情を言えたものだ。女同士なら、その痛み、苦しさ、嘆きを理解出来るはずが…どんだけ最低姉弟なのだ。深い姉妹愛が、暗闇に射す、月の光のように結花を照らしてくれるだろう。

2017/02/26

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