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人質の朗読会 (中公文庫)

人質の朗読会 (中公文庫)

人質の朗読会 (中公文庫)

作家
小川洋子
出版社
中央公論新社
発売日
2014-02-22
ISBN
9784122059122
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人質の朗読会 (中公文庫) / 感想・レビュー

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ろくせい

人間は生きる上で、大切な想いを抱く。その想いは多様であるが、唯一共通するのは他者への尊敬であると、素晴らしい構成と優しい表現で紡ぐ物語。良本に違いない。劇的に涙するほど心を揺すらない。しかし、読後も長い時間、ゆっくり、しかし確実に心を揺すり続けられた。死と接した8名が吐露する忘れ難い想い出。それぞれは他愛もない日常の出来事。他愛もない出来事がそれぞれの人生で大切な想い出となった意識を、言葉を尽くし説明することに挑戦する印象をもった。人間は多様であり、事実を受け止める感動や意識に均一性がないことを再認識。

2019/11/14

三代目 びあだいまおう

小川作品に共通する静謐で少し湿り気を帯びた冷たい空気が漂う世界。そして何故か死がたゆたう。地球の裏側で突然反政府軍ゲリラの襲撃を受け人質として捕らえられた日本人8人。明日をも知れぬ命の行方への恐怖さえ麻痺した頃にふと始まった朗読会。それぞれが語るのは過去。未来を思い描けない今、唯一確実に存在するのは『過去』なのだ。自身を形作る根幹となった思い出や何故か印象に残る体験は、きっと誰もが持つ『確かな過去』であり、同時にその刹那の主人公は自分自身。世知辛く不透明な未来を憂うのでなく確かな足下を見やり生きよ‼️🙇

2019/03/14

酔拳

遠い異国の地で人質となった8人と特殊部隊の1人。人質となり、死が目前となって、誰ともなく、自分の過去を語りだす。9章の物語。  それぞれに、過去には特別な思い出があり、それを、克明に語っている。 自分が、同じ立場であるなら、こんなにも、克明に過去をかたれるだろうか? たぶん、自分には、こんなにも克明には、語れないと思う。 なんと、自分は、今を大切にしていないか・・・、反省させられた。

2016/05/31

takaC

過去の本屋大賞に入った洋子さん4作品(博士の愛した数式、ミーナの行進、猫を抱いて象と泳ぐ、人質の朗読会)の中でも特に異質だが小説としての技巧は抜群。特に各章最後に書かれた各語り手の死亡時のプロフィール行の効果が絶大。

2016/04/12

hiro

小川洋子さんの小説3冊目。南米?の山岳地帯でツアー旅行中の7人と添乗員が、ゲリラに誘拐され人質となり、生まれ、年齢、職業、経歴等がまったく違う人質8人が、自分の思い出に残る人生のひとコマを文章にし、それを全員の前で朗読する。その朗読会の録音が残っていて、ラジオで放送されるというストーリー。やはり、人質の運命が最初に明かされているから、人質達の話が胸にしみる。また、最後に書かれている人質の現在の職業、年齢、性別から、朗読会で話された以降の人質達の人生を想像し、この小説の奥深さを感じた。ドラマも観てみたい。

2014/03/01

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