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路上のジャズ (中公文庫 な)

路上のジャズ (中公文庫 な)

路上のジャズ (中公文庫 な)

作家
中上健次
出版社
中央公論新社
発売日
2016-07-22
ISBN
9784122062702
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路上のジャズ (中公文庫 な) / 感想・レビュー

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たーぼー

この暴力的筆致と傷だらけの精神こそが新年のめでたい席に相応しい。もはや、自慰的行為ともいえるJAZZと文学と人生の結びつけの鮮やかさに暗く、深い深淵に飲み込まれる思い。60年代の狂乱の匂いが漂ってくる。しかしだ!中上ともあろう御仁に注文をつけるのも、おこがましいがコルトレーンに触れるなら、『惑星空間』に踏み込んでほしかった。あれはコルトレーンが死を摑まえ宇宙に到達した無我の境地だ。でも中上は、JAZZに関わった己と他者との対話、死者との対話、ハドソン川に浮かんだサックス弾きを、より多く語りたかったんだな。

2017/01/02

ぞしま

「灰色のコカコーラ」を読んで、追憶的に、青春に於けるジャズの受用の在り方を思った。私はハイミナールもドローランもキメたりしなかったが、フリージャズを聴き、拙い情熱を捧げた挙句、思い込み…音楽と言語の間で揺れていた…。10年前の地方都市でも残り香を感じ、それは今も自身に残っている。残り香と言ったが、ドンチェリーが歌ったようにそれは〈永遠の〉リズムなのだろう。本書が指摘したように、ジャズとは一回生の抜き差しならない経験であって。それが、作者にはアイラーであり、コルトレーンであり、デビスであったのだ。

2016/12/07

ネムル

10代の終わりから20代にかけて何か新しいものに焦がれ、ジャズという黒い太陽に身を焦がしたものとしては、60年代新宿を知ろうが知るまいが、とにかく泣ける。健次はジャズと新宿を語ることで単純に回想してるわけでもその時間を生き直しているわけでもない。これはレクイエムだ。70年、三島が割腹をすることでひとつの時代が終わり、アルバート・アイラーの自殺(三島と同年同日!)でもって健次のなかでジャズは葬られた。マイルスという天才を除いて、ジャズはサブカルくそBGMと堕した(チック・コリアとか別に嫌いじゃないんだがな)

2016/12/02

stan

ジャズ(特にフリージャズへの偏愛が語られる)に関するエッセイや対談の他、中編「灰色のコカコーラ」を収録。ジャズ、ドラッグ、無気力にまみれたジャズ喫茶での日々と暴力の勃発をとりとめもなく語る濃密な文体が凄い。また、初作「赤い儀式」も収められているが、既に濃密な文体の基礎ができているように思える。これを10代で書いていることに驚愕。

2020/02/23

ますりん

著者が10代後半から20代前半までの5年間、北野武や永山則夫と同時代にすれ違っていたジャズヴィレ時代を振り返った文章をまとめた編集本。半分くらいの文章はいろいろなところで既読済みだったけど、まとめて読むとまた違う発見も。なんとなくマイルスとアイラーに関する文章が多いイメージあったんだけど、意外とコルトレーンが多い、とか。フリージャズと左翼運動の関係には多少触れているけど、あまり具体的な記述はなくて、山下洋輔は褒めてるけど阿部薫はほとんど聞いていない、とか。 中上健次が何者でもなかった時代の記録。

2017/04/30

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