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天盆 (中公文庫 お 91-1)

天盆 (中公文庫 お 91-1)

天盆 (中公文庫 お 91-1)

作家
王城夕紀
出版社
中央公論新社
発売日
2017-07-21
ISBN
9784122064294
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ジャンル

「天盆 (中公文庫 お 91-1)」のおすすめレビュー

藤井聡太、ひふみん、羽生善治… 空前絶後のブームが到来した「将棋」のレビュー総復習

 2017年の将棋界には、まさに"飛車角"が台頭した。中学生ながら公式戦29連勝の記録を打ち立てた「藤井聡太」四段と、"ひふみん"の愛称が流行語にもなった「加藤一二三」九段。2人は、今年の顔とも言えるだろう。PONANZAが二連勝を飾った電王戦や永世七冠を達成した羽生善治棋聖などニュースやスターも目白押しで、来年以降もまだまだ続きそうな将棋ブーム。ここで、ダ・ヴィンチニュースで紹介した将棋に関する記事をまとめて紹介しよう。

■「弱点が見えない」天才・藤井聡太四段の“凄さ” 『天才 藤井聡太』(中村 徹、松本博文:著/文藝春秋)

 2017年、日本中を熱狂させた中学生棋士・藤井聡太四段。昨年の12月24日に史上最年少棋士としてプロデビューすると、そのまま無敗で勝ち続け、30年前に打ち立てられた28連勝を塗り替え、前人未到の29連勝を成し遂げた。

 藤井四段の師匠である杉本昌隆七段による回顧録や、現在の将棋界をリードする羽生善治棋聖と渡辺明竜王をはじめ藤井四段と今後対峙することになる先輩棋士らによる藤井分析を収録したのが『天才 藤井聡太』(文藝春…

2017/12/22

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「将棋ブーム」の今だからこそ読みたい! 少年の一手が国の運命を変える! 王城夕紀著『天盆』

『天盆』(中央公論新社)

 盤上の一手がうねりを生み出し、人々の人生も、世界をも飲み込んでいく。空前の将棋ブームが起きた今年、将棋に似た盤戯を中心に回る世界を描いた時代ファンタジー小説が再び注目を集めそうだ。

 その小説とは、王城夕紀著『天盆』(中央公論新社)。2014年に「C★NOVELS大賞」特別賞を受賞したこの作品は、『マレ・サカチのたったひとつの贈物』や『青の数学』などで知られる王城氏のデビュー作でもある。

 舞台となるのは、盤戯「天盆」の勝敗による人材登用制度が定着している「蓋」の国。人々は立身出世を目指し、その盤技の研鑽に励むが、長い間平民から征陣者は出ていない。ろくに仕事もせず、「天盆」にのめり込んでいる貧しい平民・少勇は、ある日、橋の下に捨てられていた赤子を拾う。「凡天」と名付けられたその子は、全員が捨て子である少勇の家の13人きょうだいの末っ子としてすくすく育ち、幼い頃から「天盆」の非凡な才能を発揮し始めた。ある日、ふとしたことから凡天は、夏街祭の天盆大会へ出場することになるのだが…。激戦を勝ち進む幼き凡天。少年が歴史に挑むとき、国の…

2017/8/26

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天盆 (中公文庫 お 91-1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

三代目 びあだいまおう

怒濤の疾走感、微塵も途切れぬ躍動感、抜群に面白かった!まさに大好物ファンタジー!天盆なる盤戯が趨勢を左右する小国、国内の腐敗と他国の侵略でその命は風前の灯!しがみつく権力者、虐げられる平民!唯一国を変えることができる、今を世の中を変えられるのは『天盆』で勝ち抜く英雄!有象無象の輩が立ち塞がり、平民の希望は閉ざされる!挑むは美しき愛を備えた『家族』とわずか10歳の梵天!『理由がないから家族なの』深き父母の愛が呼ぶ奇跡‼️兄姉の信じる力‼️『それを最も愛する者が勝つ』堪能し尽くした圧巻の著者デビュー作‼️🙇

2019/04/21

射手座の天使あきちゃん

ベストレビュアー賞「三代目 びあだいまおう」さん・おすすめ本です♪ 知らず知らず肩入れしたくなる魅力的な人物造詣、つい「あらすじ」を書いて皆に教えたくなるような卓越した物語の展開力、そして想像すらしなかった結末 ファンタジーで冒険譚で圧倒的家族愛のお話でした♡ 惜しむらくは「天盆」のルールがまったく不明で最後の「天槍」を破った大逆転の興奮に酔えなかったことかな <(^_^;

2020/01/29

chimako

「読み終えるのが惜しい」と思いながらの読書。天盆がいかなる盤戯なのかは想像するほかない。知力の限りを尽くして戦い抜く天盆に魅せられた童子凡天、その兄ニ秀。やがて国をも動かす国をあげての大会〈天盆陣〉に挑む二人の手に汗握る闘いがスピード感溢れる筆で描かれる。貧しい平民故の理不尽な仕打ちにも耐え、家族を人質にとられながらもぶれずに駒を進めるたった10歳の子どもはやがて国一番を決める天上戦に挑む。勝つとは、家族とはを自問するニ秀とひたすら打ち続ける凡天。敗者となった者たちも美しいく、胸に迫る。父と母の愛は無限。

2021/02/05

jam

国を統べるのは、盤戯「天盆」の覇者。ただ一心に求め、さまざまな思惑や策略を退け、伸ばした指先に触れる眩い光。無心であることの道筋は時に残酷だが、故に強く美しい。非凡な才を持つ孤児「凡天」と家族の物語は、王道を往くことの収斂の後先が、儚い夢の余韻のように切ない。

2019/07/22

ケンケン

(535冊目)以前から気になっていた中華風盤戯ファンタジー。作中での美しい表現・描写、王道な展開を見せる成長物語、繊細な一手ような儚いラストと予想以上に良い作品でした! そして、どんな盤戯なのか非常に気になるところ。カバーイラスト、GOOD♪

2017/07/28

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