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Red (中公文庫 し 46-3)

Red (中公文庫 し 46-3)

Red (中公文庫 し 46-3)

作家
島本理生
出版社
中央公論新社
発売日
2017-09-22
ISBN
9784122064508
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ジャンル

「Red (中公文庫 し 46-3)」のおすすめレビュー

この欲望に抗えない! 平凡な主婦が堕ちた甘くて背徳的な“快楽の世界”――男女ともに圧倒的な支持を得て、2020年に実写映画化!『Red』

『Red』(島本理生/中央公論新社)

 メディアで有名人の不倫報道が流れるたび、世の中にはバッシングが飛び交う。不倫はパートナーを裏切る、最低の行為。そう誰しも知っているのに人はなぜ不倫に溺れるのか。…それはもしかしたら、人生の意味を見つけたいからなのかもしれない。島本理生が手掛けた『Red』(中央公論新社)はそんな思いを抱かせてくれる作品だ。

 本作は2014年に単行本が刊行、2017年の文庫本発売以降、重版を繰り返し、いまだに熱い注目を受け続けている。2020年には実写映画化も決定しており、今後もますます話題となりそうだ。

 主人公の村主塔子は傍から見れば、何不自由ない生活を送っている。かわいくて元気な娘や友達のように気さくな姑、収入のいい夫に恵まれた専業主婦。私は十分、恵まれている。そう思いながらも、心は冷え切っていた。

どうしてだろう。こんなにも安定していて、穏やかなのに。毎晩同じベッドで眠る夫を、時折、赤の他人よりも遠く感じてしまうのは。

 妊娠を機にオーラルセックスが当たり前になり、セックスレスとなった自分たち夫婦。ふとした時に引っかかる夫の…

2019/10/5

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夏帆と妻夫木聡の濃厚シーンに期待!? 過激な愛の描写と衝撃展開に“賛否両論の問題作”『Red』――小説と映画で異なるラストとは

 現代女性の恋愛心理描写を巧みに表現し、女性から圧倒的な支持を得る直木賞作家・島本理生が、センセーショナルな表現で新境地を開いた『Red』(中央公論新社)。刊行当初、あまりにも衝撃的な内容のため賛否両論となった小説を『幼な子われらに生まれ』で第41回モントリオール世界映画祭 コンペティション部門審査員特別大賞など数々の賞を受賞した三島有紀子監督が映画化! 2020年2月21日(金)より新宿バルト9ほかにて全国ロードショーとなる。

大雪の夜、車を走らせる男と女。 先が見えない一夜の道行きは、ふたりの関係そのものだった。

 誰もがうらやむ夫、かわいい娘、“何も問題のない生活”を過ごしていた、はずだった村主塔子。10年ぶりにかつて愛した男・鞍田秋彦に再会をする。鞍田は、ずっと行き場のなかった塔子の気持ちを、少しずつほどいていく…。しかし、鞍田には“秘密”があった。現在と過去が交錯しながら向かう先の、誰も想像しなかった塔子の“決断”とは――。

 主人公の塔子役には、数々の作品で幅広い役柄を演じてきた女優・夏帆、かつて愛した男・鞍田役には、日本映画界におい…

2019/12/25

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ベストレビュアーを決めるのはあなた! 珠玉のレビューが目白押しの読書メーター×ダ・ヴィンチ「第4回 レビュアー大賞」第2次審査投票が開始

 日本最大級の書評サイト「読書メーター」と、本とコミックの情報誌『ダ・ヴィンチ』が連動し、ベストレビュアーを決定するコンテスト「第4回 レビュアー大賞」の優秀レビュアー24名が決定し、第2次審査投票が開始されました。

 同企画は、課題図書8作品のレビューを募集し、予選・本選を経て各作品ごとにベストレビュアーを1名ずつ決定。さらにその中から“ベスト・オブ・ベストレビュアー”を選出するというもの。

 課題図書のラインナップは公開中の映画が話題の平野啓一郎『マチネの終わりに』や、直木賞作家・島本理生の『Red』を含む注目の8作品。現在、優秀レビュアーに選出された各作品3名ずつのレビューは、特設ページで見ることができます。

 課題図書を読んだ人も、まだ読んでいないという人も、優秀レビュアーの素晴らしいレビューを読み「これは!」と思うレビューに投票してみましょう。投票期間は2019年11月24日(日)まで! ⇒「第4回 レビュアー大賞」特設ページ

【課題図書作品ラインナップ】 『東京會舘とわたし』上・下(辻村深月/文藝春秋) 『マチネの終わりに』(平野啓一郎/文…

2019/11/11

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Red (中公文庫 し 46-3) / 感想・レビュー

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bunmei

恋愛の心理描写と駆け引きを巧みに表現し、男女の縺れ合う官能の世界を濃密な性描写を交えて綴られ、きわどい表現にも挑んだ大人の恋愛小説。来春には、夏帆と妻夫木聡の主演で、映画化も決まっているとか…。真面目でマザコンの夫、昔の恋人で強引な鞍田、同僚で軽薄な小鷹と最初は男達に翻弄されている様に見えた塔子。しかし、次第に男達を巧くコントロールする立ち振る舞いが浮き彫りになり、女としての内面に宿る強かさが滲み出てきます。登場人物の性への欲望は生々しく描けていて一気読みでしたが、正直どの人物にも共感はできなかった。

2019/10/09

absinthe

面白かった。女の女による女のための官能小説。男は馬鹿だから男がこの手の話を書くと容姿にこだわって顔とおっぱいとおしりの話になってしまうのだが、女は色々心の内側が大切なようだ。人目を引く美人でないが、堅実そうな印象の塔子。なのに内面は…という面白さ。「寝てほしい」と3回言われたらもうゴロンとしてしまう。欲求不満とはいえ軽すぎないだろうか。結局いい女と言うより男に都合のいい女。塔子にもう少し翠の将来象を語ってほしかったのだが。作品中で子育ては単なる重荷だ。

2020/12/11

さてさて

『鍵を外すまではやたらと時間がかかる体も、いったん開かれてしまえばこんなにも快感の速度が変わるのか』。島本さんが官能世界を文庫本503ページという物量の中に妖艶に描き出すこの作品。そこには、一見なんの不満もないように見える日常を過ごす主人公の塔子が、一方で強く希求する快楽への思いの中にせめぎ合う様が描かれていました。嫌らしさと美しさの絶妙なバランスに酔うこの作品。そんな物語を読後感悪くなくまとめる島本さんの筆の力に驚くこの作品。官能世界を描いても島本さんは島本さんであることに安心もした、そんな作品でした。

2024/04/14

nanako

確かに真は頼りない。でも塔子はもっと悪い。塔子のコロコロ変わる思考にはついていけず!です。

2020/04/27

のり

何不自由なく暮らしていたはずの「塔子」は、かつての恋人「鞍田」に再会し、心の隙間・身体の寂しさ・家族との意見の相違が原因で深みに嵌まっていく…確かに旦那の言ってる事は正論だが、どこかズレているし癇に触る言い方は堪えると思う。それでも正直赦される行為ではない。相性はあると思うが…流されやすい塔子にも問題はある。

2019/05/22

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