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背徳についての七篇-黒い炎 (中公文庫)

背徳についての七篇-黒い炎 (中公文庫)

背徳についての七篇-黒い炎 (中公文庫)

作家
円地文子
永井荷風
小島信夫
河野多恵子
幸田文
久生十蘭
安野モヨコ
出版社
中央公論新社
発売日
2018-08-21
ISBN
9784122065345
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ジャンル

「背徳についての七篇-黒い炎 (中公文庫)」のおすすめレビュー

不倫も「フェス 3日 5人」も炎上の時代。全員淫らで人でなしの背徳アンソロジー、安野モヨコ選!

『背徳についての7篇 黒い炎』(安野モヨコ:編/中央公論新社)

「背徳」。ううむ。これまた背中からゾクゾクさせてくれるような官能が匂い立つ昭和エロワードではないか。文字通り、徳に背き、自らの欲望に身を任せる。そのめくるめく禁断の快楽……。とは言え、世間で使われなくなって久しい言葉の一つが、この「背徳」ではないだろうか。一時の流行り言葉のように乱用されて陳腐化したのではなく、今の時代には毒気が強すぎて使われず、そのままお蔵入り状態になっている言葉、という気がする。何しろ、不倫フルボッコ、フェス3日間5人武勇伝が炎上の時代である。背徳なんて言い出した日には、道徳自警団(Ⓒ古谷経衡)から全方位攻撃を受けて、スゴスゴと退散するしかない状態になるのは間違いない。

 が、それは、表向きのことである。道徳自警団の声のデカさに対して、背徳者の声は小さい。顔を近づけないと聞こえないぐらいの小さな声で、聞こうとする人にだけ囁くのだ。人倫に背き、道を踏み外す官能について、欲望の淵の深さについて、人間の淫らさとろくでなしぶりについて。道徳自警団が不倫はいかんと拡声器でがな…

2018/10/7

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背徳についての七篇-黒い炎 (中公文庫) / 感想・レビュー

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ちょん

表紙の安野モヨコさんに惚れて購入した背徳にまつわる短編集。またまたあまり読まないタイプの本なので読み進めるのに時間がかかりました。でも各話にある安野モヨコさんの挿絵が素敵。「黒い炎」はかっこよすぎて震えました。こういう読みにくい話もしっかり読めるようになりたいなぁ。

2020/10/20

あーびん

安野モヨコ選のアンソロジー。今回のテーマは”背徳”。永井荷風『裸体』の自分の美しい肉体を武器にする奔放な娘や小島信夫『黒い炎』のさながら「おっさんずラブ」のような奇妙な三角関係は現代においてもあまり違和感はない気がする。幸田文『紫と白』の妻と愛人のバトルもリアルで、”背徳”の響きからは耽美なものを連想するが実際は下世話なものばかりになってしまうのか。

2018/09/25

くさてる

「背徳」というテーマで、河野多恵子の「雪」を選ぶなんてそれだけで選者のセンスを疑う。

2018/10/03

ぼぶたろう

個人的に梅雨って結構純文学に耽溺できる気がします。さて安野モヨコさんのイラストは『紫と白』のものが一番好きでした。短編はやっぱり文体の好みから永井荷風先生が圧倒的。『裸体』も『二人妻』も良かったな。先生のキャバレー(ストリップ)通いが見事に作品に落とし込まれていて笑。女という生き物を知り尽くし、かつ賛美している感じがなまめかしくて素敵でした。今までノータッチだった久生十蘭、他のものも読んでみたくなりました。

2020/06/19

スイ

安野モヨコさんって、近現代小説もよく読まれる方なんだなぁ! あっけらかんとした『裸体』が一番好きだった。

2021/03/24

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