KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

レイテ戦記(二) (中公文庫 お 2-14)

レイテ戦記(二) (中公文庫 お 2-14)

レイテ戦記(二) (中公文庫 お 2-14)

作家
大岡昇平
出版社
中央公論新社
発売日
2018-05-22
ISBN
9784122065802
amazonで購入する Kindle版を購入する

ジャンル

レイテ戦記(二) (中公文庫 お 2-14) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ベイス

日米双方厳しい様相だが、すぐに兵や武器や糧食が補充されるアメリカと、援軍もなく物量不足で米落下傘の落としたコーンビーフを食す日本との差は絶望的としか言いようがない。しかし米兵も置かれた状況はひどく、国に残した妻が知らぬ間に誰かの子を産み1日1人兵士が離婚していくというのも悲惨だ。義号天号和号の諸作戦により突入した米飛行場がすでに放棄されていてもぬけの殻というのも情報戦の拙さであって目も当てられない。戦いを放棄した「遊兵」の存在も戦場の実態であり、人間の本能的な行動であって非難されるべきものではないと思う。

2023/06/06

nnpusnsn1945

レイテ決戦の中でも、第1師団と第26師団の視点が多い。前者の玉兵団は関東地方出身者で編成されている。都市部の部隊は弱いと思われがちであるが、通称号だけあってそれなりに強さはあったといわれている。後者の泉兵団は名古屋の部隊であり、輸送船海没の事態に見舞われ、兵員をかなり消耗したようだ。米軍とて気楽なわけではない。補給も日本軍に比べればすこぶるましであるが、十分でない所も見られたようだ。また、さりげなくフィリピン人の少年を甲府連隊所属の日本兵が防諜のため射殺したと書かれている。

2023/02/18

おたま

第二巻では、レイテ島の北部リモン峠での激戦と、西海岸ダムラアン周辺での戦いが中心に描かれる。第一巻と同様に、日米での戦闘については、詳細を極めて描かれる。どの部隊がどこにいて、どのようにして闘いが進められたのか、死傷者の数、場合によっては個人名にまで及んで、客観的に記述されていく。決して日本軍だけが苦戦したのではない。アメリカ軍もまた厳しい戦いを迫られた。それだけ日本軍も、全体としては物量において圧倒されたとはいえ、場合によっては極めて優れた戦いをした。

2023/09/20

Book Lover Mr.Garakuta

【図書館】【速読】【既読】【再読】:現地軍本部から政治家の介入で、大本営所轄となり、さらなる激戦が続く。

2023/04/22

塩崎ツトム

小磯首相の「レイテ島は天王山」発言の罪深さ。もし現地の状況を知っていれば物量・機動力ともに圧倒する米軍こそ羽柴軍であり、日本軍こそ明智軍であると同様に、歴史上のそういう英雄譚に自分たちを同一視させて今後の戦局を考えていたというのが致命的。最前線の兵士たちは上層部のファンタジーを他所に、豊富な敵の火力、熱帯の地獄のような気候、そして飢えと戦っていた。たぶん現在のプーチンも、大本営と同じナルシシズムの罠にはまっているのだろう。

2022/10/30

感想・レビューをもっと見る